現代のフランス美術を代表するフィリップ・パレーノによる国内最大規模の個展、箱根・ポーラ美術館で開催
現代のフランス美術を代表し、世界的に注目されているアーティストのひとりとして、欧米の主要美術館をはじめ世界各地で個展を開催しているフィリップ・パレーノ。近年、現代美術の企画展にも力を入れている箱根のポーラ美術館で、そのパレーノの多面的な作品を紹介する国内最大規模の個展が、6月8日(土) から12月1日(日)まで開催される。
1964年にアルジェリアに生まれ、パリを拠点に活躍するパレーノは、1980年代末以降、映像、音、彫刻、オブジェ、テキストやドローイングなど多岐にわたる作品を制作し、またAIをはじめとする先進的な科学技術を採り入れながら、様々なアーティストや建築家、音楽家との協働も行ってきた。その表現は実に多様だが、とはいえパレーノの意識は一貫して、現実とフィクションの境界や、実物と人工物との間に生じる乖離やその奇妙なずれへと向けられているのだという。
《私の部屋は金魚鉢》2018年展示風景:グロピウス・バウ、ベルリン、2018年 Courtesy of the artist; Pilar Corrias, London; Gladstone Gallery, New York and Brussels; Esther Schipper, Berlin/Paris/Seoul Photo © Andrea Rossetti
そんな彼が生み出す作品には、空間を自由に漂うバルーンの魚たちや、誰もいないのに音を奏でるピアノ、打ち明け話をするように明滅するランプなど、見慣れたオブジェでありながらも不思議な設定のものが登場する。