高杉真宙と関水渚が映画『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』の撮影を振り返る
長崎俊一監督の最新作『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』が公開されている。本作は、海辺の町にある小さな医院を舞台に、そこで暮らす青年医師・俊英と、ある事情からこの家に転がり込んできた女性・亜子が少しずつ距離を縮めていく様を描いた作品だ。
本作は物語を過剰に盛り上げるような展開や衝撃的なドラマに頼ることなく、登場人物の心の“微細な動き”を丁寧に積み上げ、ふたつの気持ちが時間をかけて交わされる過程を描き出している。セリフの言い方ひとつ変わるだけで、その場の印象や会話のトーンが変わってしまう“さりげないけれど実は複雑”なシーンを高杉真宙と関水渚は見事に演じ切っている。
高杉が演じる俊英は、優しいのに、口下手で、何かが起こると動揺や焦りがすぐ顔に出てしまう“そっけなさそうだけど実は良いヤツ”。高杉は俊英の気持ちを掴むまでに時間はかかったそうだが「ほとんど亜子にひっぱられつつ話しが進んでいくので、僕自身は俊英の下地作りをするように意識しました」と振り返る。本音を抱えたまま、それをどう相手に伝えるべきなのか迷い、探っていく俊英の心情が高杉によって巧みに表現されている。
一方、関水が演じた亜子は、自身の問題や悩みを抱えてはいるが、物語の舞台となる家に“嵐”を巻き起こすキャラクター。混乱を起こそうとしているのではなく、うまくいかない自分に苛立ったり、どう振舞っていいのかわからなくて逡巡しているうちに俊英たちを巻き込んで小さな騒動が起こってしまう。彼女もまた“愛すべきキャラクター”なのだ。
関水は「頭の中で亜子はいろんなことを考えていると思います。世の中に希望をもっているけれど、自分に自信がないせいでそれを表現できない」と言い、「愛されたいけど、自分のこともうまく愛すことができない。色々な不器用さがあって表現していくことが難しかった」と語る。
本作は家族ドラマのような設定で、小さな家に集う人々の幸福な風景や、観ているだけでおなかの空くような食事シーンもふんだんに登場するが、その根底にあるのは“面倒だけど、絶対に無視できない相手”に出会ってしまった主人公ふたりの物語だ。
ふたりは浮かれることもなければ、劇的にひかれあうこともない。
静かに時間をかけて相手の良い部分も、悪い部分も見て、時間をかけて関係を築いていく。そして、そんな過程を通じてそれぞれが相手だけでなく、これまで嫌いだった“自分自身”との付き合い方も変化させていく。
『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』は、登場人物の表情やささやかなセリフが心にスッと染み込んでいくような映画に仕上がっており、複数回、映画館に足を運ぶ観客も増えているという。
『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』
公開中
(C)2022『いつか、いつも‥‥‥いつまでも。』製作委員会
提供元の記事
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