【ライブレポート】サンタもぶっ飛ぶ灼熱ホーリーナイト! Wiennersのクリスマス・ワンマンライブをレポート
Photo:かい
12月25日のクリスマスに、Wiennersのワンマンライブ「Wienners Xmas 2022」の東京公演が吉祥寺WARPにて行われた。クリスマス・イヴに行われた大阪・心斎橋PANGEAと合わせて2日間連日でのライブを開催する今回のイベント。この日は、クリスマスという特別感だけでなく、Wienners誕生の地であるWARPでのライブという意味での特別感もあり、ソールドアウトで迎えられた満員の会場は期待とワクワク感で満たされていた。
「メリークリスマス、吉祥寺!弁天通りへようこそ!」との玉屋2060%(Vo/Gt)の一声をきっかけに「Love2060%」で幕開けると、続けてビートの強さと愛情豊かな歌詞が心をくすぐる「子供の心」をプレイ!「永遠の愛を 吉祥寺のみんなへ!」というアサミサエ(Vo/Key/Sampler)の粋な歌詞変えに対し、オーディエンスも大歓声とシンガロングで応える。
この日はソールドアウト公演ということに加え、事前に募集していたファンからのリクエストに応える形で組んだセットリストを演奏するということで、渦巻く熱気も一入だったし、規制のない満員のフロアを観たメンバーも喜びを露わにしていた。
そしてそこから「お前の為の一夜だぜ!」と更にオーディエンスを鼓舞すると、「DIAMOND DUST」でライブハウスを白銀の雪がきらめく景色に誘うと、∴560∵(Ba/Cho)とKOZO(Ds)による力強くも疾走感溢れるビートが気持ち良い「DEAR MY OCEAN」、ムワっとした灼熱の熱帯雨林を想起させるのサマーチューン「恋のバングラビート」を怒涛の勢いで届ける。楽曲毎にそれぞれの季節をしっかりと感じさせつつも、どの曲も極彩色で描かれており、メロディの煌びやかさが眩しい。
この後に、最新アルバム『TREASURE』のCDに収録されている「Magic Bullet Music」(アサミサエver.)と「MY LAND」が届けられたのだが、ツービートの激しさはありつつも、アサミサエのキュートな歌声とカラフルな照明が相まって、極上のポップチューンへ昇華していく。
このエネルギッシュとポップの絶妙かつ抜群のバランス感覚はまさにWiennersマジックと呼ぶに相応しいし、彼らの音楽を前にすると、無自覚のままハッピーになれる。
「MY LAND」に入る直前に、玉屋が「自分開放するしかなくない!?」と呼びかけていたのだが、まさにそうさせる力を持っているのがWiennersというバンドだ。この時代、楽しむことに躊躇してしまいそうになることもまだあると思う。だからこそ、瞬発的に心のリミッターを外してくれて、頭で考える前に「楽しい!気持ちいい!サイコー!」と思える領域にトリップさせてくれる。そういう音楽をずっと鳴らし続けてくれているWiennersの存在には、感謝しかない。真面目さも大事、考えることも大事。でもライブハウスでは、心を裸にして音に乗っかって、想いのままサーフして、人の目の気にせずにブチ上がればいい!それがライブってもんだろう?――彼らはそう言ってくれているように思う。
ライブ中盤では、「イヴ(前夜)」ならではのワクワク感や、好きな人と付き合う前のドキドキ感を落とし込んだ「マイノリティ」、懐かしさと慈愛溢れる「愛鳥讃歌」、さらに「日本中 I WANT YOU」を特別バンドバージョンで届けていく。
今回のリクエスト企画について「普段はやらない曲にスポットライトを当ててくれてありがとう!」と、リクエストしてくれたファンに改めて感謝を告げると、そこから人気No.1だったという「カンフーモンキー」、さらに「VIDEO GIRL」と続けてスパークしていく。
「銀河系一、冬が似合わない曲」との紹介でプレイされた「SOLAR KIDS」や「HORO NOVA AZIO」では、シンガロング、クラップ、ジャンプなど盛りだくさんの爆発的お祭り騒ぎを巻き起こす!人間の爆発力を肌で感じられる、そんな光景を目の当たりにした玉屋は、コロナ禍を経て、様々な制約を超えた先に迎えたこの日、一年間の感謝と共に、「帰ってきたとか、戻ってきたという訳ではなく、進んでここに来れたという実感が、とてつもなく湧いています」と伝えた。
その上で、「来年の俺たちは半端ないことになるっていう予感しかしてないから!もたもたしていると置いていかれちゃうからね?ついてこれるよね?その代わり、すんげぇもんを見せてやるから、これからも宜しくお願いします!」と固く約束した後に、「さあこっちへおいでよ/もっと叶えてあげるから」という歌詞を宿した「Hello,Goodbye」で更なる期待感を煽りつつ、「ゆりかご」と「雪国」を経て、ラストは「最後は無礼講!今日一番狂った踊りを見せてください、日本人たちよ!かかってこいや!」との気合の一声から「SHINOBI TOP SECRET」、「よろこびのうた」で堂々かつ豪快に祭りの幕を引いた。
熱望されたアンコールでは、SPARK!!SOUND!!SHOW!!のイチロー(Ds/Cho/169)がゲストとして登場し、Wienners&イチローが用意したプレゼント争奪じゃんけん大会が開催され、クリスマスらしいサプライズイベントにオーディエンスも大興奮。そんなテンション爆上がりのフロアに向かって「蒼天ディライト」、さらに「この曲を、俺とお前で吉祥寺WARPにブッ刺そうぜ!」と「GOD SAVE THE MUSIC」をブチ込み、本編からアンコールに至るまで、聖夜をド派手に彩った。
Text:峯岸利恵Photo:かい
<公演情報>
Wienners「Wienners Xmas 2022」
12月25日 吉祥寺WARP