2021年12月18日 12:00
ヨーロッパ企画・上田誠「魔窟がそうであるように、演劇も足を運ぶことで観られるものがきっとある」
でも新しく理子ちゃんのような年代の人に入ってもらうということは、ここからけっこうがんばらないといけない。
――そういう気持ちになるのですね。
はい。劇団としては「前期は終わって、ぼちぼち中期か後期かな」と思う気持ちもあるんですけど、理子ちゃんはここから入るのに「劇団も初期の青春は終わっていてね」みたいな感じだとつまんないだろうなと思って。それでだいぶ、けっこう無理して……(笑)。あとは単純に理子ちゃんがすごく達者なので、いい加減なことはできないなとも思いますし。
――じゃあ変化もあるのですね。
でも理子ちゃんが取材で「劇団は何か変わりましたか?」と聞かれて、「全然変わらないですね」と言ってたので。
――(笑)
そっちを信じたほうがいいかもしれない。僕は「変わりましたよ」って言うのを期待していたんですけど(笑)。でも、ここからです!
2021年、17年ぶりに「ヨーロッパ企画」に入団した新メンバーの藤谷理子
――そういうことも、社会状況も踏まえ、今このタイミングで、ヨーロッパ企画の本公演で、この『九十九龍城』のような作品をやりたかった理由はあったりしますか?
昨年の2020年、ヨーロッパ企画は、本公演ではなく別の道を選んで、配信劇だったり生配信だったり、映像でいろいろやっていたんですね。