初夏の夜、暗闇のなかで躍動する金色の肉体 大駱駝艦『Crazy Camel Garden』公演レポート
Photo: Kawashima Hiroyuki
去る5月末、東京芸術祭特別公演「ファンタスティック・サイト」として、大駱駝艦・天賦典式『Crazy Camel Garden』公演が、東京都庭園美術館の芝庭で行われた。
「ファンタスティック・サイト」とは、「江戸から明治へと歩き出し」「ときには動揺しながらも、その文化をしなやかに受け入れ、新たな社会を形成してき」た日本の、「時代の狭間が存在し続ける土地を舞台に、日本発の芸術表現である舞踏やそのエッセンスを受け継ぐアーティストたちのパフォーマンスによって、当時そのままの風景や感情をありありと浮かび上がらせ」るという試みだ。
1960年代に土方巽や大野一雄らによって創設、発展された舞踏は、近代化・西洋化が進む日本にあって、前近代的で土着的な身体を目指した前衛芸術。今では世界でも「BUTOH」の名で知られるジャンルとなっている。大駱駝艦を率いる麿赤兒は土方巽に師事し、1972年に大駱駝艦を旗揚げ。国内外で精力的に公演活動を展開している。今回の『Crazy Camel Garden』は2012年にパリで初演された『Crazy Camel』を原型としており、タイトルはパリの有名なキャバレー「Crazy Horse」