新感覚の観劇体験! VR演劇『僕はまだ死んでない』観劇レポート
ついに、VR(ヴァーチャル・リアリティ)で演劇を楽しむ時代が来た。新感覚の演劇作品『僕はまだ死んでない』がVR動画配信サービス「Blinky」で配信されている。
新型コロナウイルスの感染拡大により、以前のように劇場で観劇をすることが難しい状況が続くが、コロナ禍の今だからこそ届けられる作品もあるはずということで、立ち上がった本企画。既存の演劇のオンデマンド配信作品ではなく、VR技術を用いて、映像で演劇を楽しむ作品となっている。
実際に、ヘッドマウントディスプレイとイヤホンを装着して、作品を観た。場面は、壁に包まれた病室。どうやら「僕」はベッドの上にいる状態らしいと分かる。「僕」の父(斉藤直樹)や担当医(輝有子)、「僕」の友人の碧(加藤良輔)、離婚の話し合いが進んでいた妻・朱音(渋谷飛鳥)が話をしている。
会話の内容から、「僕」は直人(内海啓貴)というらしく、「元通りになる可能性はないし、むしろ生き延びたことを奇跡だと思って欲しい」と言われるような状態だということが分かってきて……。そして、迫られる「終末医療」の選択。軽妙でユーモアもありながら、否応なしに、人生の最期について考えさせられる作品だ。