『Nerhol 水平線を捲る』千葉市美術館で開催中 千葉市の花「オオガハス」を用いた新作の展示も
オオガハスを一部練り込んだ和紙を制作し、平面作品として展示している。旧川崎銀行千葉支店の記憶を残す美術館1階の「さや堂ホール」にはこの和紙が敷き詰められ、蓮らしき植物の香りが漂っている。
太宰府天満宮、千葉市でそれぞれ紙から制作した作品群
《Untitled》2024年さや堂ホール
《Untitled》2024年さや堂ホール
他に、千葉市美術館コレクションのなかからNerholが選んだ高松次郎、秋岡美帆、中西夏之、ダン・グラハム作品などとの共演も。本物の年輪かと見紛うNerholの作品《multiple-roadside tree no.03》は、伐採された街路樹を120枚に切断し、年輪が露出した断面を撮影、印刷した紙の積層に彫刻が施されている。樹木は印刷物の原料であり、複製でありながら根源的とも言える。
千葉市美術館コレクションとのコラボ。中央がNerhol 《multiple-roadside tree no.03》2016年写真提供:千葉市美術館
展覧会全体は、具体的なモチーフからそこに潜む「時間」を想像する気づきを得て、やがて具体的なモチーフが消え、ものそのものから「時間」を想像する目が養われるような流れとなっている。