「北アルプス国際芸術祭2024」11月4日まで開催中 10月12日からは「マームとジプシー」の野外公演「equal」の上演も
で、麻を使ったインスタレーションを展開。上質な麻を使ったカーテンをくぐった先にある厩では、かつて麻畑だった場所で採取した植物を焼成しガラスのなかに閉じ込めた、美しいタイムカプセルのような作品を設置。この土地の記憶を掘り起こし、そして留めることを試みている。
佐々木類《記憶の眠り》ガラスは、発電所の建設事務所として使用されていた建物の窓ガラスを使用している
(左)国の重要文化財にも指定されている旧中村家住宅(右)かつて麻の加工作業をしていた土間には、麻のカーテンに当時の麻栽培の様子などを捉えたモノクロ写真が写しだされている
韓国出身のアーティスト、ソ・ミンジョンは、美麻・二重地区にある屋内ゲートボール場で木を使った巨大なインスタレーションを展開。真っ白な発砲スチロールの雪原に、炭化した黒い巨木が倒れ生々しい跡をのこしているかのような光景は、地球温暖化や山火事の脅威のメタファーであり、自然と人間との関係を改めて問いかけている。
ソ・ミンジョン《黒い跡》
かつて大町をおさめていた仁科氏によって祀られた仁科神明宮。日本最古の神明造様式の建物として、本殿、中門などが国宝にも指定されている神社に隣接する森を進んでいくと、木々の隙間から2点の巨大なモノクロームの絵画作品が現れる。