巨匠リドリー・スコットの右腕が語る創作の秘密。「映画づくりは“戦い”です」
“リドリー・マジック”としか言いようがない。
「確かに映画づくりは“制御不可能なカオス”と”マジック”の両方の側面がありますよね(笑)。そこにルールがあったとしても、それを壊して“その先”に行けるかを常に考える必要があります。映画づくりは“戦い”です。ですから私もすごく大きな責任を背負っていると思っていますし、朝起きるとまず『今日はどんな問題がやってくるのだろうか』と考えるんです。
とは言え、どんな問題が起こったとしても確実に解決して、リドリーの創作環境を守る防御壁でいたいと私は思っています。リドリーは絵を描く人ですが、彼の映画は彼の描く絵画をものすごく大きくして、その世界に入っていくような感覚があるんです」
『グラディエーターII』もまさにプルスが語る”リドリーの世界に入っていく”体験ができる作品だ。スクリーンを通じて観客はローマ帝国に誘われ、目の前で剣闘士が戦い、軍船が大挙して攻めてくる瞬間を目撃できるのだ。
「私が最初の『グラディエーター』を観たのは20歳の時でした。まだ学生で、父と一緒にロンドンの郊外の映画館で観たのを覚えています。衝撃的な作品でした。まるで自分がローマの闘技場にいるような感覚になりました。