中止公演が待望の復活! 藤田俊太郎演出のミュージカル『VIOLET』が開幕
撮影:花井智子
梅田芸術劇場×英国チャリングクロス劇場の日英共同プロジェクト第一弾として大きな注目を集めながら、予定されていた4月公演がコロナ禍によりすべて中止となった『VIOLET』。幻となりかけていた本作が9月4日(金)~6日(日)、一部内容を変更して上演される運びとなり、2日に公開舞台稽古が行われた。劇場に入るとまず目に入るのは、最初から3日間だけの公演だったら決してここまでは建て込まれなかったであろう、クリエイティヴィティあふれる舞台セット。4月公演が準備万端整ったなかでの中止だったことが窺われ、関係者一同の当時の無念さと、こうして日の目を見た今の思いを想像するだけで胸が熱くなる。
そんななかで始まった舞台もセット同様、4月公演に向け、そしてこの度の復活上演に向け、丹念に稽古が重ねられてきたことが伝わるもの。廻り舞台が駆使され、役者も小道具もいつの間にか出てきてはハケていくような藤田俊太郎の演出は、一歩間違えればこちらの集中力を削ぎかねない。だがキャストの流れるような動きが、顔に傷を持つヴァイオレットがあらゆる傷を癒すと噂の伝道師に会いに行く決意をし、長距離バスで旅をするなかで多様な人々と価値観に出会う——という展開の速い物語をシームレスに進行していく。
ミュージカル『VIOLET』舞台稽古より撮影:花井智子
ヴァイオレット役と言えば、ブロードウェイの“名花”サットン・フォスターが天性の華と太陽のような明るさを封印し、顔と心に傷を抱えた女性を見事に演じ切ったブロードウェイ公演(2014)が忘れ難いが、唯月ふうかもまた、従来の可憐なイメージを覆すような力強い演技で新境地を見せる(優河とWキャスト)。
そのヴァイオレットと関係を持つ白人兵士モンティ役の成河、黒人兵士フリック役の吉原光夫は、まさに芝居巧者の面目躍如といったところ。ベトナム戦争と人種差別という、それぞれに日本人には馴染みの薄い背景を背負って滲ませなければならない難役だが、二人の強靭な演技力が物語に説得力を加えていた。
それにしても、ジニーン・テソーリの音楽はなんと“自分探し”の物語によく似合うことだろうか。『ファン・ホーム』でも感じたことだが、子どもの頃に聴いたことがあるのに長い間忘れてしまっていたような、大切なものは自分の中にあると教えてくれるような、そんな不思議な印象が彼女の音楽にはある。物語、演出ともに観客の知識と想像力に託される部分が多く、一度の観劇ですべてを理解するのはなかなかに難しい作品だが、音楽がヴァイオレットの心にぴったりと寄り添い、頭ではなく心で受け止める手助けをしてくれた。
取材・文:町田麻子
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