日本・タイ共同制作による燐光群『安らかな眠りを、あなたに YASUKUNI』が開幕
社会性や実験性の高い斬新な新作公演を重ねている燐光群。彼らが2016年から3年間実施した「アジア共同プロジェクト」では、タイとフィリピンで取材やワークショップを行い、両国の俳優・演出家を招いて清水弥生作の2本、『Summer House After Wedding』(2016年)と『リタイアメン』(2018年)を東京で初演。バンコク、チェンマイ、マニラでのツアーでも好評を博したが、今回は同企画に参加していたタイの気鋭、ニコン・セタンの戯曲『Rai Phamnak』を、日本版『安らかな眠りを、あたなに YASUKUNI』として、セタンと坂手洋二の共同演出で上演する。
物語に登場するのは、亡霊となった昔の彼女に取り憑かれているワンチャイ。そして、幼なじみのシンスケの霊魂を探している日本兵の亡霊タダシ。彼は、泰緬鉄道が建設されていたカンチャナブリで消息を絶っていた。現在のバンコクで、不思議な出会いを果たした仲間たち。迷いながらたどりつく、それぞれの真実とは……。
本作は、アジアの演劇人が初めて日本の靖国神社について描く作品であり、歴史性にポップさとユーモアを交えながら、伝統と現代、国際性を融合した国際合作。