みうらじゅん『アウト老のすすめ』刊行!「僕のやっていることは隙間産業なんです」
イラストレーターのみうらじゅんが4月19日、都内で行われた『アウト老のすすめ』発売記念ハイタッチ&お渡し会の前に、囲み取材を行った。
本書は、週刊文春の人気連載を書籍化。大人げないまま新型高齢者となったみうらじゅんが、自身の珍妙な日常や妄想、愛のメモリーを綴った95本のエッセイを収録。
みうらは「還暦を迎える前に、自分の身体に“老いるショック”を感じてどうしようかなと思っていた」と切り出すと「でも考えてもしょうがないことだし、しょうがないことには、しょうもないことをぶつけるのが一番いいなと。年を取っていくと、しょうがないことをシリアスに考えがちなんです。そうすると、しょうがないことの思うつぼなので、こっちは、しょうもないことを必死に考えていて。それを連載とかに書いていたら、本としてまとまったんです」と出版の経緯を明かす。
みうらといえばこれまでも「ゆるキャラ」や「マイブーム」など現在では定着している言葉を生み出してきた。
「アウト老」という言葉も「流行語大賞を狙っているのか?」と問われると「1997年に『マイブーム』で流行語大賞をいただきましたが、狙ってもらえるものではない」と語ると「僕はカテゴリーやジャンルにネーミングがないと、その分野のことを頑張れない。だから勝手に自分で作っているだけなんです」とあくまで自分の興味にまい進していくなかで、モチベーションを上げるために“自分のために”作ったにネーミングだという。
書籍のお渡し会では「ハイタッチ」も行われるという。みうらは「アイドルがハイタッチ会をしているのは知っていましたが、おじいさんがしているのは聞いたことがない。僕が仕事に就いたときは、すでにやれることをやっている人がたくさんいた時代。そのなかで隙間を見つけて生きてきた。僕のやっていることは隙間産業なんです」と自らの人生を振り返っていた。
ユニークな発想を持つみうらだが「二重人格ということではないのですが、僕は漢字の“三浦純”と、ひらがなの“みうらじゅん”のふたりがいるんです」と語ると「皆さんの前に立っている“みうらじゅん”は漢字の三浦純がプロデュースしている人物」と説明すると「本当は、僕は狂った人間ではないんです。
ごくまともな人間が、そう仕向けているんです」と“真人間”ぶりをアピールしていた。
取材・文=磯部正和
<書籍情報>
『アウト老のすすめ』
4⽉22日(火) 発売
著者:みうらじゅん
判型:新書判 並製 カバー装
価格:1540円(税込)
提供元の記事
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