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【ライブレポート】サバシスター、yutori、Laura day romanceが競演。それぞれの個性が光った『MUSIC FLAGS vol.3』

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【ライブレポート】サバシスター、yutori、Laura day romanceが競演。それぞれの個性が光った『MUSIC FLAGS vol.3』

Photo:飼沼竜二



ぴあとAIR FLAG Incが共同で立ち上げたライブイベント『PIA & AIR FLAG Inc Presents "MUSIC FLAGS"』の第3弾が8月10日(木)、渋谷WWW Xで開催された。出演アーティストはサバシスター、yutori、Laura day romance。いずれも現在ものすごい勢いでシーンを更新するホープたちだ。それぞれの個性を発揮しながら全力でパフォーマンスを届けたライブの模様をレポートする。

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まずトップバッターとして登場したのはサバシスター。SEが鳴り響いた瞬間の力強い手拍子とメンバーが登場した瞬間の歓声に今の彼女たちへの期待のほどが伺える。いきなり初披露の新曲「キラキラユー」で軽快なロックンロールを響かせると、一転してどっしりとしたリフで聴かせる「生活」へ。サポートメンバーのサトウコウヘイ(B)以外全員色違いのラグランTシャツに身を包んだポップな佇まい、なち(Vo/G)のリアルな実感が込められた歌詞、そしてそれをじっくり気持ちを込めて歌い上げる姿。
音楽性の振れ幅も含めてさまざまな魅力をもったバンドだが、その魅力がわずか2曲ではっきり伝わってくる。

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「1分押してしまいました」となちが言うのでなんと律儀なんだと思ったら、その理由が「ベルトがなくてズボンがずり落ちてくるのでスタッフにスマホの充電ケーブルを取ってきてもらってそれでズボンを止めていた」というもの。なんというか、今すぐにでも曲にできそうなエピソードである。そう、それこそ続けて披露された「スケボー泥棒」のように。この曲がそうであるように、人生のどんな場面にも真理が潜んでいるものである。

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なちがお立ち台に上ってギターをかき鳴らし始まった「ナイスなガール」ではごうけ(Ds)のパワフルなビートやアウトロでのるみなす(G)のギターソロもあいまってフロアから拳が突き上げられる。「今日は『MUSIC FLAGS』ということで、音楽の旗をパタパタ〜としたいと思います」と宣言したり、ごうけが小さい頃から大事にしてきて、今はサバシスターのステージには必ず置かれているぬいぐるみのしげちゃんを紹介したりしつつ、そのぬいぐるみのことを歌った「しげちゃん」を届ける。
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終盤ではメルカリで横取りされた緑のジャージのことを歌った「ジャージ」で一気にフロアを盛り上げると、「もっと声出せるんじゃないですか?」とさらに煽りつつなちの人生観が色濃く滲む名曲「タイムセール逃してくれ」へ。
るみなすの華麗なソロも決まると、最後は「サバシスター’s THEME」。なち、るみなす、サトウの3人で動きを合わせたりしながら最後まで盛り上げきった。

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続いて、じんわりと響く心地のいいアンサンブルでライブを始めた2組目Laura day romance。1曲目「happyend」から、タンバリンを叩きつつ歌うトリプルギターの奏でる色彩豊かなサウンドの上で井上花月(Vo)の歌声が伸びやかに広がる。

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続いて礒本雄太(Ds)の叩くフレーズから「well well | ええと、うん」。メランコリーをたたえたサウンドの世界の中で、井上の歌うメロディが時折キラリと光を放つ。繊細に押し引きを繰り返すアレンジも、聴けば聴くほど引き込まれるようだ。一転、軽やかな8ビートが鳴り響き、オーディエンスの手拍子を誘う。
「lookback&kicks」だ。井上とサポートメンバーによるツインボーカルが躍動し、それを磯本のドラムとサポートベースドラ内山のグルーヴが支える。瑞々しく伸び上がっていくようなメロディはこのバンドの真骨頂だ。

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彼らにとってこのWWW Xはワンマンライブをやった思い出深い場所。それにちなみ、ここで行われたワンマンのタイトルともなった「sweet vertigo」を披露。見ればフロアにいるお客さんはそのリズムに気持ちよさそうに身を預けていて、いつの間にかこの会場全体がLaura day romanceの醸し出すムードに染まっている。

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井上のパンドの未来に期待を抱かせる言葉を挟み、ライブは「wake up call | 待つ夜、巡る朝」に入っていく。印象的なギターのサウンド、そして井上のファルセットがWWW Xの空気を澄み渡らせていくようだ。
続けてベースとドラムを中心に音を重ねながら「waltz | ワルツ」へ。切なさのなかで鈴木迅(G)のかき鳴らすコードがやたら心をざわつかせる。

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「みなさん最後まで楽しんでいってください」という井上の言葉から「夜のジェットコースター」を届けると、天井のミラーボールが回り美しくフロアを照らし出す。そしてラストは「sad number」。手拍子が巻き起こるなかストレートなロックチューンがぐんぐん高みへと上っていった。

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そして3組目、この日のトリを務めたのがyutoriだ。「よろしくお願いします」と一言、「センチメンタル」で爆発的なスタートダッシュを決める。内田郁也(G)のテクニカルなフレーズ、ゴリゴリと曲を押し進めるような豊田太一(B)、浦山蓮(Ds)のリズム隊、そして佐藤古都子(Vo)の歌がそんな音の迫力を突き破って届いてくる。
言葉をオーディエンスに突き刺すような「音信不通」を経てフロア中で手が上がる「モラトリアム」へ。それにしても、どんな曲でもぐっと自分の側に引き寄せ「yutoriの歌」にしてしまう古都子の歌の力がものすごい。ブレスにもビブラートにも意思が宿っているようだ。

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豊田がお客さんを煽ってアッパーな4つ打ちビートが炸裂する「煩イ」を披露すると「スイミー」へ。サビでぐっと力感を増すバンドサウンドが、一気に楽曲の世界を押し広げていく。そして古都子が爪弾くギターからじっくりと「キミニアワナイ」へ。4つの楽器がリズムを合わせ叫ぶようなサビはもちろん、そこに至るドラマティックな展開も聴きどころ。古都子の歌はそのドラマを繊細さと豪快さを行ったり来たりしながら鮮やかに描き出してみせる。
“ポップ”という言葉では簡単に片付けられない吸引力みたいなものがこのバンドにはあるが、ここまでのパフォーマンスでもそれは遺憾なく発揮されている。
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速いBPMでギターをかき鳴らす焦燥そのもののような「ワンルーム」を全力で鳴り渡らせると、9月6日リリースの『夜間逃避行』からの新曲「会いたくなって、飛んだバイト」を披露。アッパーなリズムとは裏腹に古都子の歌声には身を切るような痛みが伴っている。そして、その古都子の声から曲が始まった瞬間に手を挙げる観客が続出した「君と癖」。アウトロでは内田と豊田が前に出て力強く盛り上げてみせた。

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「ひとりひとり好きなものも違うかもしれないし、嫌いなものも違うかもしれないけどさ、あなたは音楽が好きで、ライブハウスが好きでそこにいるんでしょ?」。古都子のそんな言葉から突入した「煙より」で本編を終わらせると、アンコールでは「ショートカット」で再びぶち上げ。最後までオーディエンスの心を掴み切って、yutoriの4人はステージを降りていった。


Text:小川智宏Photo:飼沼竜二

<公演情報>
PIA & AIR FLAG Inc Presents "MUSIC FLAGS"

8月10日(木) WWW X

セットリスト ■サバシスター
01. キラキラユー
02. 生活
03. スケボー泥棒! 04. ナイスなガール
05. しげちゃん 06. ジャージ
07. タイムセール逃してくれ 08. サバシスター’s THEME ■Laura day romance 01. happyend 02. well well | ええと、うん 03. lookback&kick 04. sweet vertigo 05. wake up call | 待つ夜、巡る朝 06. waltz | ワルツ 07. 夜のジェットコースター
08. sad number ■yutori 01. センチメンタル
02. 音信不通 03. モラトリアム 04. 煩イ
05. スイミー
06. キミニアワナイ
07. ワンルーム 08. 会いたくなって、飛んだバイト 09. 君と癖 10. 煙より En1. ショートカット 関連リンク
サバシスター公式サイト: https://lit.link/sabasister Laura day romance公式サイト: https://fan.pia.jp/Lauradayromance/ yutori公式サイト: https://www.yutori.jp/

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