2024年3月13日 21:30
舞台『千と千尋の神隠し』2024年公演開幕! 新キャスト・福地桃子が全身で千尋を表現
公演を重ねるごとにさらに濃く、深みを増していく予感がする、魅力的なハクの誕生だ。
ハク=増子敦貴
ハク=増子敦貴
初出演組も既に安定感すらある活躍ぶり
この日ゲネプロに登場したプリンシパルキャストは、カオナシ・中川賢、リン/千尋の母・実咲凛音、釜爺・宮崎吐夢、湯婆婆/銭婆・羽野晶紀、青蛙・元木聖也、頭・奥山ばらば、坊・坂口杏奈と、初出演組がずらり。それぞれに自身の役どころをしっかり務めているように見受けられ、すでに安定感すら覚えるほど。その中でも、個人的には実咲凛音のリン、羽野晶紀の湯婆婆/銭婆、そして元木聖也の青蛙が特に印象的だった。
リン=実咲凛音
リンは油屋で働き始めた千尋の面倒を見る姉御肌なキャラクター。さばさばとした口跡の良さをはじめ、実咲は小気味よく演じている。一日の務めを終えた後に従業員部屋から出て夜空の下で千と共に握り飯を食べ、そのまま横たわる場面での風情も心にしみる。
羽野の湯婆婆/銭婆は、どすの効いた声から慈愛を感じさせる温かみのある声まで多彩な声色で緩急を利かせる。作中屈指のクセの強いキャラクターを、映画そのままの顔立ちに見せるメイクで演じ切っている。
ちょっとした動きからも劇団★新感線で鍛え抜かれた芸達者ぶりが感じられ、「さすが」