2022年11月9日 07:00
名作ゲーム『ファイナルファンタジーX』を新作歌舞伎に。その驚きの企画を菊之助が語る!
今も不朽の名作と語り継がれているゲーム『ファイナルファンタジーX』(以下、『FFX』)。その世界に惹かれ、歌舞伎にしようと考えた男がいる。歌舞伎役者・尾上菊之助である。このゲームの大きな魅力である映像美を活かしながら、どう歌舞伎にしていくのか。新作歌舞伎『風の谷のナウシカ』も成功させた役者は、自信を持ってこの挑戦に臨んでいる。
きっかけはコロナ禍、攻略本を読んで気づいた歌舞伎との相性の良さ
──『FFX』を新作歌舞伎にしようと思われた経緯から、まずお聞かせください。
きっかけはコロナ禍でのステイホームでした。私の場合、2020年3月の国立劇場の公演が無観客での配信になり、そこから7月まで歌舞伎の公演がなくなってしまいました。
先行きが見えず気持ちが落ち込んでいたときにステイホームでゲーム需要が高まっていることを知り、小学生の頃によくやっていたゲームをもう一度プレイしようと思いました。そして、ロールプレイングゲームで最も心に残っていた『FFX』をもう一度やり始め、攻略本を読んだときに思ったんですね。これはもしかしたら新作歌舞伎になるのではないかなと。
──そう思われたポイントは?
『FFX』はとにかく脚本が素晴らしいんです。