2022年8月14日 11:00
公演中止を経て、宝塚花組『巡礼の年~リスト・フェレンツ、魂の彷徨~』東京公演が開幕
宝塚歌劇団花組によるミュージカル『巡礼の年~リスト・フェレンツ、魂の彷徨~』と、ショーグルーヴ『Fashionable Empire』の東京公演が、およそ2週間の公演中止を経て、8月14日15時半公演より東京宝塚劇場で開幕する。
『巡礼の年』は、19世紀初頭のヨーロッパで、どんな難解な曲でも初見で弾きこなすと言われ、その超絶技巧ゆえに“ピアノの魔術師”の異名をとった、ピアニストで作曲家のフランツ・リストを主人公に、生田大和が作・演出を手がけたオリジナル作品だ。
心の内では、自身のアイデンティティであるハンガリー人“リスト・フェレンツ”として生きたいと願いながら、その一方で、貴族の華やかなサロンで脚光を浴び、さらに高みを目指そうとする“フランツ・リスト”としての名声や野心も捨てきれない主人公の葛藤と、魂で通じ合える女性、マリー・ダグー伯爵夫人との恋愛が、同時代の芸術家や文化人たちとの交流をまじえて描かれる。
リストを演じる花組トップスター柚香光は、揺れ動く芸術家の心を丁寧に表現。ピアノの得意な柚香の弾き語りも見逃せない。マリー役のトップ娘役星風まどかは、作家でジャーナリストでもある意志の強い女性を凜とした演技で見せ、リストのライバルであり、病の床でも彼を案じる盟友のフレデリック・ショパン役には水美舞斗、男役の永久輝せあが、ショパンやリストに影響を与える男装の女流作家、ジョルジュ・サンドを演じる。