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内田英治監督が語る『スペシャルズ』「佐久間くんは“個の魅力”がとてもある人」

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内田英治監督が語る『スペシャルズ』「佐久間くんは“個の魅力”がとてもある人」


『ミッドナイトスワン』『ナイトフラワー』など話題作を次々に手がける内田英治監督の新作映画『スペシャルズ』が3月6日(金)から公開される。本作はコミカルな設定、感動のドラマ、重厚なアクションなど複数の要素が一体となった作品だが、その根底には内田監督の“映画だからできることを追求したい”という熱い想いが貫かれている。

本作では年齢も性格もバラバラなプロの殺し屋たちが、裏社会のトップのクセ者親分が必ず訪れるダンス大会での暗殺をもくろみ、チーム“スペシャルズ”を組んで大会の出場を目指す。

内田英治監督が語る『スペシャルズ』「佐久間くんは“個の魅力”がとてもある人」


銃を手に容赦なく相手を葬るヒットマンが、まったく踊れない状態からダンスをはじめるのだ。かなり奇抜な設定だが、内田監督は長年にわたって本作を温め、オリジナルで脚本を書き上げた。

「昔、ダンス番組のADをやっていたことがあって、自分はまったく踊れないんですけど、その時に見たダンサーの人たちの身体表現だったり、パワーだったりにすごく圧倒されたんです。だから、いつかダンスの映画を、と思っていました」

とは言え、本作に登場するのは華麗に踊るプロのダンサーではない。殺し屋チームが参戦するのは、町で開催されているダンス大会。
学校やスクールで集まった参加者たちが練習を積んで予選を勝ち上がり、決勝で必死に踊る“普通のダンス大会”だ。

「僕が担当していた番組も、プロのダンサーが出てくるわけではなくて、普通の人たちが頑張っている大会だったんですよ。劇中のセリフにも出てきますけど、僕は“ダンスは技術だけじゃない”って思っているんですね。芝居もまったく同じだと思っていて、この映画ではスペシャルズが上手く踊って勝ち上がっていくのではなくて、変わったダンサーの人たちがたくさんいて、その中で殺し屋たちが必死に踊って輝いていく話をやりたかった。そこはすごく意識した部分です。

だからこそ、ダンス大会については自分が見てきたこと、ADの時に受付をやったりして体験してきたことを全部反映しました。当時もそうだったんですけど、ダンス大会といっても、いろんな人が来るんですよ。タンゴの人もいれば、社交ダンスの人もいたりして、そんな中で、普通の高校生がある日を境に急にスターになったりする。
あと、参加者がスポーツバッグをもってゾロゾロと会場に入ってくるところとか、道路沿いでガラスに写る姿を見て練習しているところとか……自分が見てきたものは全部、この映画に取り込みました。これであの時に働いた元はとった感じです(笑)」

内田英治監督が語る『スペシャルズ』「佐久間くんは“個の魅力”がとてもある人」


通常の映画であれば、踊ったことなどまったくない殺し屋が、必死に練習してダンス大会に出場して成功をおさめる。しかし、これでは主人公が殺し屋である意味があまりない。本作では、なんと主人公チームがコンテストで踊りながらターゲットを狙い、時には銃を準備したり、ある時にはチーム内で攻防が繰り広げられたりするのだ。ポンコツチームが奮闘する展開と、殺し屋が“仕事”をする場面が同時進行で描かれる!

「踊ったことのない人が努力して踊れるようになって大会に出ました、って話はすでにたくさんあるじゃないですか。だからこそ、そうじゃない映画にしたいというのは最初から思っていました。この企画は最初、主人公が“警官”で考えていたんです。前に『異動辞令は音楽隊!』って映画を撮りましたけど、あんな感じで、警官が広報部に配属されて踊ることになる。
でも、その設定だとうまくいかないんですよね。そこで正反対の“裏社会の人”を主人公にしたら?と思ったら、一気に脚本が書けたんです。とは言え、裏社会の人が普段はやらないことをやる設定の映画もすでにたくさんあるので、どうやって両者のバランスをとって、プラスアルファのスパイスを入れることができるのか?はずっと考えていました」

「“映画だからできること”にはめっちゃこだわってます」


内田英治監督が語る『スペシャルズ』「佐久間くんは“個の魅力”がとてもある人」


監督が語る通り、本作はダンス、殺し屋、個性の異なるチームの物語など複数の要素が絶妙なバランスでブレンドされている。ひとつの要素が少し強すぎるだけでも完成した映画『スペシャルズ』にはならなかっただろう。だからこそ、本作では映画を引っ張っていく魅力と、周囲の俳優陣の演技を引き立てる能力の両方をもつ主演が必要だった。そこで内田監督は佐久間大介(Snow Man)に声をかけた。

「先ほども言いましたけど、僕はいわゆる“芝居がうまい”人にはあまり興味がないんです。どんなに芝居がうまくても、本人の個性や魅力がなければ、観客をひきつけることはできないと思っています。
その点でいうと、佐久間くんは“個の魅力”がとてもある人なんですよね。すごくプロ意識の高い人ですし、魅力がどんどん増していくタイプなんですよ。彼と会ってから4年ぐらい経つんですけど、会うたびに魅力が増幅している。

一方で、彼は『自分は前に出て、みんなを引っ張っていくタイプではない』って言うんです。佐久間くんは自分だけ良ければいいってタイプではなくて、いつも周りを見ていて、この映画やチームが良くなるためにはどうすればいいのか?を考えているタイプ。日本だと自分から発信するのは上手い俳優さんは多いんですけど、彼みたいに発信もできるし、相手の演技を受けることも上手な俳優は少ない。今回は椎名桔平さん、中本悠太(NCT)さん、青柳翔さん、小沢仁志さんと個性的なチームなんですけど、佐久間くんはちゃんと受け止めてくれる。そこは信頼しています」

内田英治監督が語る『スペシャルズ』「佐久間くんは“個の魅力”がとてもある人」


言葉より先に銃が出るような殺し屋たちが、必死に練習を繰り返して、ダンス大会に出場する。
音楽が流れ、華やかな照明の下で彼らは踊り、客席から歓声があがるが、この場面はダンスシーンであり、同時に“殺し屋の襲撃”シーンでもあるのだ。本作は、大胆な設定を導入して、コメディ、緊迫のアクション、凸凹チームのドラマを同居させることに成功しているが、そこにあるのは、監督の“映画だからできることを追求したい”という強い想いだ。

「僕はこの映画よりもシリアスな感じの『ミッドナイトスワン』や『ナイトフラワー』でも“ファンタジーだ”って言われるので、僕がやる映画は全部ファンタジーなんだと思うようになりました(笑)。でも、実は考えてることはいつも変わらないんです。

ただ、“映画だからできること”にはめっちゃこだわってます。僕は監督している本数も多いですから、いっつも『ミッドナイトスワン』みたいな映画じゃ飽きるだろうし、映画の幅も広がらないんで。ただ僕としては映画によって変わっている気はないですし、同じ監督が撮ってるわけですから『ナイトフラワー』も『スペシャルズ』も同じだと思っています。

いろんな映画を撮っていますけど、僕はやっぱり映画が好きなんですよね。
最近、“IP=Intellectual Property/知的財産”って言葉をよく目にしますけど、僕はIPじゃなくて映画が好きですし、映画を観て生きてきたんで、これからも映画だからできること、映画にしかできないことを常に意識してやっていきたいと思っています」
内田英治監督が語る『スペシャルズ』「佐久間くんは“個の魅力”がとてもある人」


『スペシャルズ』
3月6日(金)公開
(C)2026「スペシャルズ」フィルムパートナーズ

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