成河、亀田佳明が熱く語る! 新国立劇場が2024/2025シーズン開幕に放つマクドナーの傑作『ピローマン』
それが全てではないかなと思います。そうではない見せ方やそうでない演劇もあるけれど、絵梨子さんにとって、それは重要なポイントなのかなと思います。『タージマハルの衛兵』でもそうでしたし、手を繋いで離さないでいてくれる方でしたから、僕にとってはとても新鮮で、喜ばしい体験でした。
成河俳優が嘘なく存在する、ということに対して、僕が知る限りでは桁違いのこだわりと情熱を持っている。それはただの情熱でなく、しっかりと理論化され、絵梨子さんの中のメソッドとしていまなお彼女自身が鍛え続けていると思います。簡単についていける人ではありません。『タージマハルの衛兵』では僕も何度も落ちかけましたが、その都度亀ちゃんにガっと掴まって(笑)──。
亀田それはお互いさま(笑)。
成河役柄については、まだきちんと分析的に読み込んではいませんが、語り続ける役、ですね。物語っていく人間の狂気は、すごく普遍的なテーマとしてあると思います。
亀田僕が演じるミハエルは、確実に、純粋なだけでなく、暴力性も残虐性もある人物。でも、どんな役どころも一面的ではない。知恵遅れという描写もあるけれど、本当にそうなのかどうかも怪しいし、純粋かと思えば残虐だし、両面がありますね。