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常に最前線を突き進む造形作家の活動を紹介 『岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ』展開催

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常に最前線を突き進む造形作家の活動を紹介 『岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ』展開催


造形作家の岡﨑乾二郎(1955年生まれ)のこれまでの作品をたどるだけでなく、最新作や近年の活動も紹介する展覧会『岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ』が、豊田市美術館で11月23日(土)から2020年2月24日(月・祝)まで開催されている。

レリーフ〈あかさかみつけ〉シリーズを発表した初個展以降、岡﨑乾二郎はジャンルや素材を超えた作品制作と発表を続けている。同時に岡﨑は、修景保存活動や教育活動、キュレーションや多分野をまたがる批評なども行ってきた。こうした一つに留まらない彼の活動を、豊田市美術館のほぼ全館である5室の空間を使い、約200点の作品で紹介する。

会場には、絵画、彫刻、レリーフ、さらにはテキスタイル作品、タイル、ドローイング、ポンチ絵など、これまで制作した作品や新作が並び、岡﨑の多面的な活動をうかがい知ることができるだろう。「この世界は決して一元的なものではなく、たがいに相容れない固有性をもったばらばらな複数の世界から成る」という彼らしさを感じられる。

さらに、岡﨑の著書『ルネサンス-経験の条件』で、明晰な分析を行った「ブランカッチ礼拝堂壁画」を、AR(拡張現実)の技術を用いて再現する。壁画と同じように、岡﨑の絵画やレリーフ自体が、さまざまな色や形からつくられていることが分かる。


これほどまでに幅広いジャンルの作品を発表する作家は、他にはいないだろう。展覧会タイトルのカイソウは、いくつも意味を持つ。見るという行為にはカイソウ(回想)も含まれている。さらに展示室という空間のカイソウ(階層)、過去の作品から新作までという時間というカイソウ(階層)が混ざる。鑑賞者の感覚が絶えず刷新される展覧会である。

【関連リンク】
豊田市美術館( https://www.museum.toyota.aichi.jp/exhibition/okazaki/ )

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《まだ早いが遅くなる》1986年綿布、絹大原美術館蔵
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《テウミンとたみをとむらってバツサイとつみをきりしは》2000年セラミック東京国立近代美術館蔵
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《ポンチ絵》2014年色鉛筆、紙個人蔵
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《タメになるってどういう意味?/狐の才気》2018年アクリル、カンヴァスBBar collection
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《Physiognomy》 2016年 インク、紙株式会社タグチプロジェクツ蔵

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