建築家たちの夢や思考が詰まっている アンビルト/未完の建築に焦点を当てた展覧会
20世紀以降の国内外のアンビルト/未完の建築に焦点を当てた展覧会『インポッシブル・アーキテクチャー ―建築家たちの夢』が、国立国際美術館で3月15日(日)まで開催されている。
この展覧会は、これまで完成に至らなかった構想、提案に留まった刺激的なアイディア、技術的には可能であったものの、社会的条件や制約で実施できなかったプランなど、アンビルト/未完の建築を、約40人の建築家、美術家による図面、模型、関連資料を通して読み解いていくもの。
展覧会のタイトルに使われている「インポッシブル」という言葉は、単なる「不可能」という意味ではない。ここでの不可能は、建築の可能性の境界を問い、不可能性に焦点をあてること。つまり、建築における極限の可能性や潜在力を浮かび上がらせようとすることが、この展覧会のねらいである。
例えば、展示される《ウラジーミル・タトリン、第3 インターナショナル記念塔》のCG映像やヤーコフ・チェルニホフの書籍挿絵にあるように、1930年代のロシアでは、大胆な曲線を描いた建築を構想していた。実際つくるには相当の技術が必要であろうが、当時の社会的な制約により実現には至っていない。