石丸幹二「描かれているのは人ごとではないと気づいてもらえたら」―ミュージカル『パレード』再演への思い
他国の話ではあるけれど、100年前と今と、社会の状況は何ら変わっていないということをこの『パレード』で感じ取って、また自分たちの社会にも向き合い、自分自身は何を思うかを皆さんに問いたいなと思います。
――差別や保身、集団の持つ力など、作品の根底にある問題は日本人の観客の心にも引っ掻き傷を残したと思います。初演では公演の後半、多くの方が劇場に駆けつけていました。
来られていましたね。噂が広がり、自分も体感したいと思われたのか。この作品を観ることによって、自分の中の何かが変わる。そんなミラクルが起こるミュージカルだと思うんですよね。だからこそ、やり続ける意味があるなと思います。
堀内敬子との再共演
――ルシール役の堀内敬子さんとの、息の合った再共演も楽しみです。
劇団四季を離れて17年ぶりに、初めてミュージカルの現場で彼女と一緒にやったのがこの初演だったんですよ。彼女がパワーアップしていたことが嬉しかったし、もともと妖精的な人なので(笑)、だからこそ若い役があんなに自然に出来るんですよね。また今回も磨きをかけてますから、どんなふうにチャーミングにルシールを演じるのか、すごく楽しみです。