ふたつの物語を通して語りかけるものとは 音楽座ミュージカル『ホーム』本日開幕
1987年の旗揚げ以来、数々のオリジナル作品を生んできた音楽座ミュージカル。一作目の『シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ』から一貫して「ワームホールプロジェクト」と呼ばれる独自の創作システムを採用し、クリエイティブスタッフとキャストが各自の専門分野だけでなく、作品全体の成立に向けて行動する形で創作を続けてきた。同作や1989年初演の『とってもゴースト』、1993年初演の『リトルプリンス』、1994年初演の『泣かないで』など、長きにわたって再演が重ねられている作品も数多い。
本日11月22日(火)に大阪・高槻城公園芸術文化劇場で上演されるのは、1994年に初演され、第2回読売演劇大賞で優秀男優賞と優秀スタッフ賞を受賞した『ホーム』。血のつながらない一組の家族と、学生運動に身を投じた恋人たち、ふたつの物語を通して地球そのものが“ホーム”であり、そこに生きるすべてが家族だと語りかける作品だ。
昭和34年秋。デパートの屋上でアドバルーンの見張りをしていた哲郎の前に、ひとりの女が現れる。夕焼け空を見ながら「空を飛べそうな気がする」とつぶやき、風のように立ち去った女の名はめぐみ。
同じ頃、ビルの谷間ではいずみと宏が寄り添っていた。