『ロケットマン』『全裸監督』など“実話”映画がヒット中。その理由とは?
近年、『ボヘミアン・ラプソディ』や『ロケットマン』など実在の人物をモデルにした映画が連続してヒットを記録している。日本でも山田孝之が実在の人物に扮したNetflixオリジナルシリーズ『全裸監督』が大ヒット。幅広い層を魅了する実話ものは、映画・ドラマの中でも“間違いなく面白い”ジャンルで、来年以降も新作が続々と待機している。
古くから実話や実在の人物を描いた作品は数多くつくられてきた。たとえば近年のアカデミー賞を眺めるだけでも『グリーンブック』『スポットライト 世紀のスクープ』『それでも夜は明ける』『アルゴ』など、実話を基にした映画が次々に作品賞を受賞。映画の作り手たちも実話の中から“語りたい物語”を探している状況だ。もちろん、作家が作り出したフィクションにも傑作は多い。しかし、実話ベースの映画の多くが作家が思いつかないような設定や人物造形を備えていたり、観る者の興味をかきたてる物語を描いている。
“事実は小説より奇なり”というが、作家や脚本家がフィクションとして描くと観客から“これは出来過ぎていてあり得ない”と思える出来事も現実の世界では起こっていたりする。大使館に閉じ込められた人々の救出劇を描いた『アルゴ』などがいい例だろう。