2023年9月22日 08:00
【ネタバレあり】松下洸平と紐解く『ミステリと言う勿れ』「朝晴の何面もの顔を見せたかった」
そうでもしないと立っていられないんです。朝晴のしたことは決して許されることではないけれど、そういう面では共感できるところはあるかもしれません」
(C)田村由美/小学館 (C)2023 フジテレビジョン 小学館 TopCoat 東宝 FNS27社
母のおかげで自分の感性を信じることができた
家の伝統というものは、時に個人を押し潰す。しきたりめいた言い伝えに、朝晴はずっと縛られてきた。だが、松下自身は画家の母親の下、のびのびと育てられたと言う。
「うちはフリーダムな家族です。そのフリーダム精神を僕自身、色濃く受け継いでいる感じがします。そういう家庭で育ったから今の僕があるのかなと思います」
そう言って、こんなエピソードを明かしてくれた。
「僕は小さい頃、絵を描くことが好きな子どもでした。放課後も教室の隅っこでずっと絵を描いていて。
ただ、周りの子が人気の漫画のキャラクターを描いているのに対して、僕が描いているのは現実のもののスケッチでした。決してバカにされたわけではないんですけど、あるとき『子どもらしくない絵だね』って言われたことがあります」
他の人にはない感性や視点を、人は「個性」