千住真理子がデビュー50周年。記念企画が12月のイザイでスタート
イザイの《無伴奏ヴァイオリン・ソナタ》全曲演奏会は12月20日(金)に東京・富ヶ谷のHakuju Hallで。
「イザイは、怒りや悲しみ、悩みなど、とても人間くさい音楽を書いているんですね。その当時、挫折した私が、その人間味に惹かれてちょっとずつ弾いてみると、イザイの悲しみとか怒りとか絶望に、私の気持ちがすっと溶け込んでいったのです。イザイなら近寄っていける。そう思って、最初は自分ひとりのためにイザイを弾くようになりました」
以来イザイの《無伴奏ヴァイオリン・ソナタ》(1924)は、ヴァイオリニストとして復帰した彼女の代名詞となり、5年の節目ごとに必ず全曲演奏に取り組んでいるライフワークだ。
全6曲の作品だが、もう1曲、未完成の〈ソナタ ハ長調〉が2018年に発見された。千住は2020年に、その1曲も含めた全7曲を録音しており、今回もその「完全版」を演奏する。
会見では、当時から40年以上使い続けているというイザイの楽譜を見せてくれた。
「日記のようなもの」というその楽譜には、びっしりと書き込みがあり、ページによっては音符が見えないほど。ステージ上で暗譜で演奏するときには、音符とともに、そのさまざまな書き込みも映像として目に浮かんでくるのだという。