千住真理子がデビュー50周年。記念企画が12月のイザイでスタート
スタッフの皆さんもさぞ懲りたと思います。それ以来3人の共演がなかったのは、きっとそれが理由です。今回もどんなことになるか、誰にもわかりません(笑)」
10年後の60周年どころか、「100歳まで弾きます!」とさらに前を見据える。見るからにまだまだ若々しい彼女だが、“しわの音” という、奥深い言葉を語った。
(C)JUNICHIRO MATSUO
人間、年齢を重ねれば、人生を刻んだ証として、指先にもしわが出る。
「でも、そのしわが音になるんです。子供の頃から、巨匠たちの演奏を聴いて、その “しわの音” にあこがれていました。なぜかわからないけれども、“しわの音” が聴こえて、胸が熱くなって涙が流れてくる。
こういう音を出したい!早くしわになれ!と。それが夢でした」
“しわ”もまた、音楽家の素敵な年輪。今回のメモリアル・イヤーも、きっと千住真理子にとっては、“まだ” 50年。これからもどんどん深い “しわの音” を聴かせてくれるにちがいない。
取材・文:宮本明
千住真理子デビュー50周年記念企画(2024年11月発表時点)
【1】イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会(完全版)