【ライブレポート】the telephones、Wienners 熱狂の化学反応を起こした初の対バンライブ!
Photo:かい
これまで対バン経験に恵まれなかったことが不思議なくらいだ。それほど相性のいい2バンドの組み合わせであり、場内は終始笑顔とダンスで溢れ返っていた。the telephonesとWiennersによるツーマン形式のライブ・イベント「FREAKY & GROOVY」が新代田FEVERにて開催。
the telephones
石毛輝(Vo/Gt/Synthesizer)
まず先攻のthe telephonesがステージに現れ、「いろいろあるけど、踊ろうか!」と石毛輝(Vo/Gt/Synthesizer)が挨拶すると、「Monkey Discooooooo」でショウは始まった。メンバーのテンションも異様に高く、ド派手なパーティー・サウンドをブチ上げる。その証拠に岡本伸明(Synthesizer/Cowbell/Shriek)はいきなりお立ち台の上で寝転んで、その上に長島涼平(Ba/Cho)が座ったり、後半は石毛がステージでブリッジを決めながらギターを弾き倒す始末だ。さらに「Baby,Baby,Baby」に入ると、岡本はカウベルを叩き、気づけばバーカウンターに移動してコーラを飲んでいた。もうやりたい放題ではないか。
岡本伸明(Synthesizer/Cowbell/Shriek)
長島涼平(Ba/Cho)
松本誠治(Ds/Cho)
会場限定シングル「Get Stupid」に移ると、「飛び跳ねろ!」と焚きつけ、会場の温度はさらに上昇。松本誠治(Ds/Cho)のタイトなビートが響くと、「electric girl」においては大人びたダンス・ロックで観客を激しく揺らしていた。
「Wienners主催で、第一回目に呼んでもらえた。あんなニュース(※安倍元首相が銃撃された日)があったら食らうと思うけど、音が鳴っている間は楽しんで!」と呼びかけ、新曲「Whoa cha」をプレイ。キラキラしたシンセを筆頭にクセになる中毒性の高さを発揮。中盤過ぎには「バカみたいにハッピーに踊ろうぜ!」と煽り、さらに攻めまくる。
「主催のひとりが好きと言うんで」と付け加えて、久しぶりに「SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!」を披露。また、「Wiennersと初対バン、コラボしちゃっていいですか?」と言うと、「Urban Disco」ではWiennersの玉屋2060%(Vo/Gt)がギターで参加し、これには会場も大盛り上がり。
ラストスパートは「Do the DISCO」、「sick rocks」、「Feel bad」の3連打で賑々しいパーティー空間を作り上げた。
Wienners
これを受け、後攻のWiennersは「ここが俺たちの遊び場だよな?踊り狂って帰れ!」と玉屋は叫び、「蒼天ディライト」からトップギアで飛ばす。すると、観客も身振り手振りで楽曲に参加し、お祭り騒ぎの光景が広がった。それからリズミックな「THE BATTLE」に繋ぎ、序盤からthe telephonesに負けぬパーティーっぷりを突きつける。
「俺たちが主催ってバレたね。the telephones最高だった、寝転んでもいいんだ(笑)。みんなも自由に楽しんで!」と声をかけ、「Justice 4」へ。ジャジーかつファンキーな演奏を繰り広げると、次の「DANCE HALL CRUSHERS」では文字通りにフリーキー&グルーヴィーな演奏を解き放つ。
続いてスペーシーな「VIDEO GIRL」を挟んだ後、「俺たち今日を楽しみにしてた。なかなか対バンができなくて、交われたことに感謝!the telephonesが踊り散らかした後、俺らも踊り散らかす!」と玉屋は宣言。
玉屋2060%(Vo/Gt)
アサミサエ(Vo/Key/Sampler)
そして、ライブの1日前にMVが公開されたばかりの新曲「SHINOBI TOP SECRET」をここで披露。玉屋、アサミサエ(Vo/Key/Sampler)、∴560∵(Ba/Cho)の3人によるボーカル・ワークを活かし、TVアニメ『ニンジャラ』エンディング曲に引っかけた和のテイストもWiennersのキャラクター性に見事ハマッている。観客のリアクションの高さを観ても、これからライブ必須のアンセム曲になるだろうなと確信した。
∴560∵(Ba/Cho)
KOZO(Ds)
「ANIMALS」、「ASTRO BOY(Black Hole ver.)」でも自由度の高いサウンドを魅せつけ、その流れで「DEAR MY OCEAN」をプレイ。ドラムンベース調のイントロから雄大なスケールを描く曲調もいいフックになっている。本編は早くも残り3曲となり、「FAR EAST DISCO」、「GOD SAVE THE MUSIC」、「よろこびのうた」と一気呵成に畳み掛け、凄まじいエネルギーでフロアを制圧していった。
そして、アンコールで再びメンバーが姿を見せると、石毛がライブで愛用している唇サングラスを装着。その前フリから石毛本人を招き入れ、Wiennersの「ジュリアナ ディスコ ゾンビーズ」とthe telephonesの「Monkey Discooooooo」のマッシュアップ曲「ジュリアナディスコモンキーズ」を投下。玉屋と石毛はツイン・ボーカルで熱く掛け合い、そこにハンドマイクで岡本も参加する三つ巴状態となり、最後は猿のごとく観客を踊らせて大団円を結んだ。
対バンならではの相乗効果もあり、2バンドの長所や武器をぶつけ合った本イベントは、第一回目にして大成功と言っていいだろう。改めて、the telephonesとWiennersのケミストリーは予想以上のものだった。とにかく、楽しい!の一語に尽きる一夜であった。
Text:荒金良介Photo:かい
<公演情報>
FREAKY & GROOVY
7月8日(金) 新代田FEVER