綾瀬はるか出演『箱の中の羊』本編映像公開 余貴美子&清野菜名が家族の空気をかき回す
(C)2026フジテレビジョン・ギャガ・東宝・AOI Pro.
是枝裕和監督最新作『箱の中の羊』の本編映像が公開された。
これまでカンヌ国際映画祭を中心に、数々の栄誉ある賞を受賞してきた是枝監督が本作で描くのは、“少し先の未来”の“夫婦”そして“家族”の物語。子どもを亡くした夫婦が迎え入れたのは、息子の姿をしたヒューマノイド。止まっていた家族としての時間が再び動き出した彼らを待ち受けていたのは、想像を超えた“未来”だった──。建築家の甲本音々を綾瀬はるか、その夫で工務店の二代目社長・健介を大悟(千鳥)、そして息子の翔と、その姿をしたヒューマノイドを桒木里夢が演じる。
この度公開されたのは、ヒューマノイドと暮らし始めた音々のもとへ、母・西村信代(余貴美子)と妹・小滝亜利寿(清野菜名)が突然訪ねてくるシーンの本編映像。翔の存在を目の当たりにした信代は驚きを隠せない様子を見せながらも、持ち前の遠慮のなさで甲本家の空気をかき回していく。音々が新幹線の時間を気にして帰るよう促しても、信代は意に介さず泊まっていくと言い出し、母娘ならではの気兼ねのないやり取りが繰り広げられる。
するとヒューマノイドの翔がふたりに近づき、「今すぐここを出たら北鎌倉に15時10分には到着して……」と乗り換え案内を始める。信代が「あんた駅員さん?」と驚いた様子で問いかけながらも「でも泊まるわ。疲れちゃったけえ」と返したその直後、翔が「ママはあなたに泊まってほしくないんだって」と音々の本音をそのまま口にしたことで、場の空気は一変する。信代は「あんたが言わせとるん?人間は思っとること全部口に出したりせんよ」と言い放ち、人間同士だからこそ抱える本音と建前の複雑さが浮かび上がる。そんな険しい空気の中、妹の亜利寿は「私も泊まろうかな」と口にしながら、音々に口パクで「ごめん」と伝え、姉と母の間を取り持とうとする。ヒューマノイドの翔を迎え入れた甲本家に現れたふたりによって、音々の新たな一面と、家族それぞれが抱える想いが垣間見える映像となっている。
清野の起用について、是枝監督は彼女の爽やかな印象を挙げつつ、“大人と対照的であり、どこか似ているところがあるキャラクター”を目指したという。音々の妹として自然に見える血のつながりと、世代の違いによる対照性、その両方を兼ね備えた存在として清野に白羽の矢が立ったことがうかがえる。
映像の中でも、姉を気遣いながら場を和ませようとする姿が印象的で、家族の潤滑油として確かな存在感を放っている。
亜利寿にはふたりの子どもがいるが、そのうちのひとりは養子だという背景がある。是枝監督は、血縁ではない子どもを迎え入れることが、今よりもっと自然になっている社会をイメージしたと明かしている。そうした人物が物語の中にいることで、音々がヒューマノイドである翔を受け入れるという選択も、より地続きのものとして観客に届いていく。血のつながりだけでは測れない“家族”のかたちを提示する存在として、亜利寿は本作に重要な視点をもたらしている。
余が演じる信代もまた、作品に豊かな奥行きを与える人物だ。夫を亡くし、自らの悲しみと向き合った末に、いまは“推し活”を新たな生きがいにしているというキャラクター像には、人生を前向きに更新していく逞しさがにじむ。是枝監督も、余が持つ生命力や華やかさに着想を得ながら人物像を膨らませたと語っており、劇中でも一筋縄ではいかない母親として強い印象を残す。
娘とぶつかり合いながらも、どこか憎めないその姿には、家族という存在の厄介さと愛おしさが同居している。
『箱の中の羊』本編映像
<作品情報>
『箱の中の羊』
5月29日(金)公開
公式サイト:
https://gaga.ne.jp/hakononakanohitsuji/
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