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PK shampoo主催『PSYCHIC FES 2025』に40組のミュージシャンが大集結!ダイブに大合唱、歌舞伎町を熱狂の渦に巻き込んだ一日をレポート

ぴあ
PK shampoo主催『PSYCHIC FES 2025』に40組のミュージシャンが大集結!ダイブに大合唱、歌舞伎町を熱狂の渦に巻き込んだ一日をレポート

Photo:春



Text:西澤裕郎Photo: るなこさかい / 春 / 佐藤瑞起
PK shampooがプロデュースするサーキットイベント『PSYCHIC FES 2025』が、東京・新宿歌舞伎町エリアで2025年11月15日に開催され、大盛況の中で大団円を迎えた。2023年に新宿歌舞伎町一帯のライブハウスにて初開催。第2回は2024年に大阪・心斎橋一帯のライブハウスにて行われ、今回第3回となる『PSYCHIC FES』は再び東京・歌舞伎町で開催された。会場はZepp Shinjuku (TOKYO)、新宿LOFT、LOFT BAR、新宿MARZ、新宿Marbleといったライブハウスに加え、屋外ステージとなるシネシティ広場も登場。昼12時から20時過ぎまで、PK shampooに縁あるミュージシャンを中心に計40組が出演した。そんなカオティックな本フェスを現地からレポートする。


のっけからこんなことを書くのもどうかと思うが、自分はサーキットフェスが得意ではない。会場数も出演者数も多いため、1組あたりの演奏時間も長くなく、移動が面倒だというのもある。
いざ会場に行ってみたら入場規制で入れないというケースも結構多かったりする。とにかく気力と体力がないと、サーキットイベントをまるまる楽しむのは難しい。

ということもあり、これまで2回行われてきた『PSYCHIC FES』には足を運んでこなかった。しかし今回は、事前に対談記事を2回担当させてもらったこと、主催者鼎談にも登場してくれたぴあの新井氏、PK shampooのヤマトパンクスをはじめ男10人で伊豆大島に旅行に行ったこと、何よりラインナップされている出演者たちが魅力的だったこと。さらには“何かが起こりそう”という思いもあり、遊びに行きたいと話したところレポートを書かせてもらうことになった。今回足を運んだ人だけでなく、まだ行ったことがない人にも役に立つ記事になればうれしい。

開場直前。リストバンド交換所でもある“トー横”ことシネシティ広場に行くと、今回初めて設置される野外ステージが準備されていた。
トラックの荷台がステージになっており、そこでライブが行われるようだ。すぐ隣には「カラオケブース」と書かれた小さなテント。ここで誰でもカラオケができるらしい。「なんでやねん……」と思ったが、開場後は歌っている人も多く、盛り上がっていた。気づけば手を挙げて熱くなっている自分もいた。

向かいには、『PSYCHIC FES』名物となった日本お茶割り協会×いいちこによるキッチンカーが鎮座。主催スタッフである岩永氏(コロムビア・クリエイティブ株式会社)と共に、鹿児島堀口製茶・和香園のお茶を使った日本お茶割り協会プロデュースのお茶割りを注文した。お茶の風味がめちゃめちゃ香り高く、お世辞抜きで本当に美味い。
緑茶、紅茶、ほうじ茶割り、生ウーロンハイと選べ、飲み放題プランもあるのがうれしい。

PK shampoo主催『PSYCHIC FES 2025』に40組のミュージシャンが大集結!ダイブに大合唱、歌舞伎町を熱狂の渦に巻き込んだ一日をレポート

Photo:るなこさかい
PK shampoo主催『PSYCHIC FES 2025』に40組のミュージシャンが大集結!ダイブに大合唱、歌舞伎町を熱狂の渦に巻き込んだ一日をレポート

Photo:るなこさかい
そうこうしていると、PK shampooのフロントマン・ヤマトパンクスが会場に到着。スタッフたちと雑談したあと、日本コロムビアの青いはっぴを身につけ、各会場へ挨拶回りに向かう。ついていってみると、途中のコンビニで大きなパック入りいいちこを購入し、各会場の出演者用に差し入れとして届けながら挨拶している姿が印象的だった。

PK shampoo主催『PSYCHIC FES 2025』に40組のミュージシャンが大集結!ダイブに大合唱、歌舞伎町を熱狂の渦に巻き込んだ一日をレポート

Photo:るなこさかい
PK shampoo主催『PSYCHIC FES 2025』に40組のミュージシャンが大集結!ダイブに大合唱、歌舞伎町を熱狂の渦に巻き込んだ一日をレポート

Photo:るなこさかい
フェス開演直前の12時。Zepp Shinjuku (TOKYO)のステージにヤマトパンクスが登場。注意事項と協賛企業への感謝を述べ、「怪我はするなよ」と観客へ告げると、手に持った「いいちこ 下町のハイボール 350ml」のプルタブをプシュっと開ける。PK shampooの楽曲「天使になるかもしれない」を観客に合唱させながら一気に飲み干す。
ステージ脇ではPK shampooのメンバー3人、福島カイト(g)、ニシオカケンタロウ(b)、カズキ(ds)が笑いながら眺め、ツッコミを入れている。こうしてヤマトの開会宣言とともに、トップバッター・時速36kmのライブで『PSYCHIC FES 2025』は開幕した。

「僕の中では、あくまでお客さんも含めて、人間が集まったパーティーの延長線上にあるイベントでありたい。やっぱりパーティーや飲み会の良さって、本来なら出会わなかったかもしれない人と仲良くなれたり、逆にケンカしちゃったり、そういう予測不能な交わりが生まれるところだと思う」
事前の主催者対談で、ヤマトはそう語っていた。この日、各会場がそうした様相に包まれていた。PK shampooのメンバーたちは各々が各会場に足を運んでおり、街を歩いているとすれ違うことも多く、観客に声をかけられ写真を一緒に撮っている景色をよく見かけた。ヤマトはライブのフロアで一緒になって踊ってサンダルや帽子をなくしたり、客席で観客と一緒になって踊ったり、パーティーの延長線という言葉がぴったりのシーンがあちこちで見られた。ライブハウス、バックヤード、そしておそらくお客さんたちの間でも様々な物語が生まれていた。
出演している40組それぞれに強く忘れられないシーンや音楽が鳴り響いていた。

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KING BROTHERS@シネシティ/Photo:るなこさかい
19時。約半日に渡り6会場で繰り広げられてきたライブの大トリとして、Zepp Shinjuku (TOKYO)でPK shampooのライブがスタートした。ヤマトは「1個質問があるんですけど」と最前の観客を指名すると、「病めるときも、健やかなるときも、一緒に踊ってくれますか?」と問いかける。「お前らはどうやる?Zepp Shinjuku!『PSYCHIC FES 2025』、PK shampooです!よろしくお願いします」と叫ぶと、「死がふたりを分かつまで」でライブがスタート。満員の会場。熱気に包まれるなか、「夜間通用口」「SSME」「奇跡」と続け、にしけんのベースがうねる「君の秘密になりたい」では、客席から合唱が起こった。

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Photo:春
MCで、ヤマトは「長い!このイベント。
やめよう。もう何の意味もない」と戯けながら、「どうでしたか?」と問いかけると、観客たちは大きな歓声で応えた。「皆さんのおかげで、3年目で1番チケットの売れ行きもありまして」と語ると、大きな拍手が包んだ。「皆さん疲れましたよね?でも僕の方が疲れてるんですよ!」と伝えると、客席から「もっと疲れさせて!」と言葉が飛び、「そうやな!今日はゆっくりぐっすり眠れるようにやっていきましょう」と「君が望む永遠」へ。ヤマトの独唱から「断章」、「旧世界紀行」と続けた。ヤマトは再び「どうでしたか?」と問いかける。「不安なんで、何回も聞いちゃうんですよね」と心のうちを曝け出しつつ、それを吹き飛ばすようなフロアの歓声を受け、「明日もやろうか」とうれしそうに語った。「初めて僕が新宿に来た時は、なんやこの街は?と思って。
バスで来て、どこにも行くところがないから、コンセントを探しに西武新宿のマクドナルドに行ったりして。あの時と比べたら、新宿の汚さは変わってないかもしれないけど、大好きな街になってきました。皆さんのおかげです。ありがとう」と告げると、新宿を舞台にした楽曲「S区宗教音楽公論」へ。さらに、「死んでしまった友達に捧げましょう」という言葉から「落空」を歌い上げた。

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Photo:春
「ちょっと長い話になるかもしれないですけど」とヤマトは前置きを置きながら、「僕、中学の時、学校というか周りに馴染めない友達4、5人と、おばあちゃんがやっているたこ焼き屋に集まってはいらんことばっか言ってたんです。おばあちゃんが、「あんたら勉強も運動もせんと、何してんねん。なんかやること見つけんかい」って言ってくるんですよ。で、この前、5日間ぐらいホテルに缶詰めになって、そんなことを思い出しながら新曲を書いてたんです・・・あの時は、自分が何をしたいんかおばあちゃんに言い返せなかったけど、今から皆さんに伝えてみてもいいですか?」。そう語ると、新曲「Bad Boys Blue」を初披露。過ぎ去った夏、過去、残像のように残った夏の温度と、感情を呼び起こすような疾走感に満ちた新曲に観客たちは思い思いに耳を傾け、身体を揺らした。

同曲を歌い終えると、ヤマトは、「PK shampooは頑張っているけども、結局おいらの方が有名なんだよな。おいらが出てきた方が盛り上がるんだよな」と、ビートたけしのモノマネをしながら「どうもー、おいら天使でした」と、「天使になるかもしれない」へ。フロアはモッシュの嵐に。楽曲の途中、「疲れていると思うけど、疲れてるからこそ最後の力を振り絞る。そんな勇気が、皆さんのこの辺とかにあってもいいんじゃないでしょうか。一番最初に約束した、病めるときも、健やかなときも、一緒に踊ってくれますか?っていうの覚えていますか!」と投げかけると、《天使になるかもしれない》の大合唱が起こった。ヤマトの「みんなで作ったフェスです。みんなで歌ってください」という言葉に呼応するように、これまで以上の大きな声がこだました。

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Photo:春
「天王寺減衰曲線」「3D/Biela」を続けて演奏し、2026年4月5日(日)に京都KBSホール、4月23日(木)に川崎CLUB CITTA’で自主レーベル”From World Wide Web”pre.のツーマンライブ『FIRE WALL Vol.3』を開催すること、先ほど披露した新曲「Bad Boys Blue」を福島カイトの誕生日でもある11月26日に配信することを発表。

ヤマトは「みんな知ってる曲だけバッと2曲やってもう帰ります。ほんとはずっと一緒にいたいんですけど、でも、なんでしょう。この胸の高鳴り。君がいない夜。君たちがいない夜って」というMCから「京都線」を、そして「何になりたいかって言われたら、何がしたいかって言ったら、何もわかりませんけれど、1個だけ、星になってみたい」と語り、「星」を歌い上げた。そして最後に「残り48秒、最後ぜんぶ置いていけ!」とファストコアチューン「あきらめのすべて」を大爆音で演奏。再びモッシュとダイブの嵐が巻き起こる中、PK shampooの1時間20分にわたるライブは幕を閉じた。

こうして40組のライブとともに幕を閉じた『PSYCHIC FES 2025』。それぞれの場所、それぞれのライブ、一人ひとりの間で数えきれないくらいの物語が生まれたに違いない。最初にサーキットが得意ではないと書いたが、『PSYCHIC FES』はそんなことを忘れるくらい濃密だった。ヤマトパンクス、出演者たち、スタッフ、観客たちの感情全部がごちゃまぜになっており、そうした感情のうねりのようなものをイベントの各所で感じることができた。全力で遊んで疲れることの先にある心地よさも体感した。

人の心を感動させることをできるのはやはり人の心であり、気持ちが動くことでまた新たな感情が生まれていく。そうした連鎖が起こり続ける『PSYCHIC FES』。来年は大阪での開催となるが、どのような光景と物語が生まれていくのか。ぜひ足を運んでみてほしい。

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Photo:佐藤瑞起
<イベント概要>
『PSYCHIC FES 2025』

2025年11月15日
会場:東京・新宿 Zepp Shinjuku (TOKYO) / 新宿LOFT / LOFT BAR / 新宿MARZ / 新宿Marble / シネシティ広場
出演:ART-SCHOOL / アンジーモーテル / 171 / 瑛人 / 思い出野郎Aチーム / かずき山盛り / KING BROTHERS / クリトリック・リス / 小林私 / sidenerds / サニーデイ・サービス / 挫・人間 / さよならポエジー / ザ・シスターズハイ / 時速 36km / 自爆 / ジュウ / SuiseiNoboAz / SuU / STANCE PUNKS / 多次元制御機構よだか / w.o.d. / THIS IS JAPAN / でぶコーネリアスEX / TENDOUJI / トップシークレットマン / PK shampoo / Hue’s / フリージアン / PURIKURA MIND / 古舘佑太郎 / the bercedes menz / ポップしなないで / 眉村ちあき / モーモールルギャバン / 山田亮一とアフターソウル / よさこいマン / ラブリーサマーちゃん / 浪漫革命 / 忘れらんねえよ

<公演情報>
PK shampoo From World Wide Web pre.『FIRE WALL Vol.3』

2026年4月5日(日) 京都KBSホール
開場17:00 / 開演18:00

2026年4⽉23⽇(⽊) 川崎CLUB CITTA’
開場18:00 / 開演19:00

オフィシャル2次先行(抽選)
申込期間:11月28日(金) 20:00~12月7日(日) 23:59
https://w.pia.jp/t/pkshampoo-firewall/(https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2563727&afid=P66)

PK shampoo オフィシャルサイト
https://pkshampoo.jp/

提供:

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