子供だけでなく連れてくる大人も一緒に楽しめる児童劇を作ろうと、故・岸田今日子が企画してスタートさせた、演劇集団 円による「円・こどもステージ」。これまでに谷川俊太郎、別役実、佐野洋子らの書き下ろし作品を上演、数多くの賞も受賞してきた同シリーズの38作目となる『青い鳥』が、12月21日(土)から27日(金)まで東京・シアターXにて上演される。
演出を務めるのは、幅広い世代の男女が集まって演劇のゲームを交えながら気持ちをシェアする、「産み育てを考えるワークショップ」を全国で開催してきた阿部初美。誰もが知るチルチルとミチル兄妹の冒険物語を再構成し、原作の中にある生と死、喜びと悲しみなどの普遍的なテーマをイメージ豊かに描き出す。
「子供の虐待などの痛ましいニュースが多い中、生まれてくることの尊さや幸せについて、大人と子どもが一緒に感じたり考えたりするキッカケに」と意気込む阿部。『青い鳥』は元々、メーテルリンクがクリスマスのための童話を頼まれて書いた戯曲でもあり、この時期にぴったりの舞台となりそうだ。
文:町田麻子