HYDE、抗うことを選んだソロ活動20周年ツアーの幕開け 『ANTI WIRE』初日公演レポート
美しい調和のとれたノイズには最高の価値がある。
この令和に、生きることを絶やさないこと。それを教えてくれた表現者は、うっぷんを「いま、ここ」にすべて吐き出すかのように叫び、声を歪ませた。目を塞ぎたくなるような、社会の様相を憂いながらも強く歌う姿は、負の感情からも瞳をそらすことなく、その視線を未来へ向ける。
「今日はたまりにたまった辛かったこと、喪失感、恨みつらみを全部吐き出して楽しもうぜ!」HYDEが声をあげた。
コロナ禍のなか、今年9月に東京・Zepp Haneda(TOKYO)で開催された「Acoustic Day / Rock Day」と銘打ったライヴ『HYDE LIVE 2020 Jekyll & Hyde』のオーバータイム(延長)となる本ライヴは、見方を変えれば映画でいう『Episode.0(エピソードゼロ)』という位置づけとなる。クリスマスの翌日の開催ということもあり「メリークリスマス」という言葉に続けて、「よく来たね」と口にするHYDE。
12月26日(土)、神奈川・ぴあアリーナMMでの初日公演を皮切りにスタートした全国7都市を巡る全11公演のツアーはファンの熱烈なラブコールに応え、はじまったばかりだった。