吉田鋼太郎×柿澤勇人、ふたりの男が命懸けで騙し合う『スルース』は「泣ける芝居」
撮影:渡部孝弘
妻を“寝取られた男”アンドリュー・ワイクと、“寝取った男”マイロ・ティンドルとの手に汗握る復讐の応酬を描く、アントニー・シェーファーの傑作ミステリー『スルース(探偵)』。これまで国内外、舞台・映像を問わず、数々の名優が演じてきた芝居に、柿澤勇人(マイロ役)と吉田鋼太郎(アンドリュー役/演出)が挑む。『デスノート THE MUSICAL』『アテネのタイモン』に続く共演となるふたりが、「稽古してみて初めて分かった」と口を揃える、本作の真の面白さとは――。
「コロナ禍の今、やる意味が見えてきた」(吉田)
──ほぼふたり芝居で、一方は演出も務めるという異例の座組です。お稽古はどのように進んでいるのでしょうか。
吉田歌舞伎のお稽古みたいだね。御大がいて若手がいて、「ここはもうちょっと美しく見せたほうがいいんじゃない?」とかって進めるようなやり方です。僕が一方的に決めるんじゃなくて、ふたりで色んな可能性を探りながらやってるから、すごく楽しいですよ。
柿澤僕もめっちゃ楽しいです。もちろん大変ではあるんですけど、鋼太郎さんが僕には想像もつかないようなことを言ってくれるから、発見と勉強の毎日ですね。