2023年4月21日 12:00
兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)定期演奏会。5月は「ザ・ブリティッシュ!」
兵庫芸術文化センター管弦楽団(PAC)の創設以来、オーケストラを成長に導き、常に聴衆に刺激を与えるプログラムを提供し続けてきた指揮者、下野竜也が登場する5月のPACが披露するのは、オール・イギリスプログラムだ。
コンサートの冒頭に奏でられるのは、ウォルトン(1902-1983)が第2次世界大戦中の1942年に作曲した『スピットファイア前奏曲とフーガ』だ。この作品は、イギリスの航空技術者R.J.ミッチェルが、第二次世界大戦を象徴する名戦闘機スピットファイアを生み出すまでを描いた伝記映画『スピットファイア』の音楽からの編曲作品だ。その音楽は、名戦闘機スピットファイアの飛行シーンを想像させる勇壮なもの。まさにイギリスを勝利に導いた伝説の翼の活躍を描いた意欲作だ。
そして、日本を代表するヴァイオリニスト三浦文彰がソロを務めるエルガー(1857-1934)の「ヴァイオリン協奏曲」とそのエルガーの名を世に知らしめた名作『エニグマ変奏曲』のカップリングは、19世紀末から20世紀に至るイギリス音楽の素晴らしさを描いた歴史絵巻のような豪華さだ。
下野竜也が描き出すPACの「ザ・ブリティッシュ!」