尾上松也「冒頭から結末までワクワク」 北村想『夫婦パラダイス~街の灯はそこに~』で憎みきれないクズな夫に
(撮影:源賀津己)
シス・カンパニーが主催する、日本文学へのリスペクトを込めた人気シリーズ「日本文学シアター」。今回第7弾として選ばれたのが、織田作之助の傑作『夫婦善哉』だ。その主人公である柳吉と蝶子をモチーフにしつつ、なんともファンタジックで、ユニークな世界観を紡ぎ出したのは、本シリーズおなじみの北村想。同じく寺十吾が今回も演出を担い、唯一無二の劇空間を立ち上げる。そこで柳吉役の尾上松也に、作品の魅力、北村ワールドに臨む上での心持ちなどを訊いた。
『夫婦善哉』の柳吉よりはクズじゃない、こちらの柳吉の生きがいは……
――『夫婦善哉』の主人公・柳吉と蝶子をモチーフにした、北村想さんの新作です。台本の初見の印象は?
『夫婦善哉』をベースにしているということで、普通の夫婦の物語かと思いきや、決してそうではないんですよね。冒頭からなかなかファンタジックですし、北村想さん独特の世界観が心地よく、ミステリアスでもあり、冒頭から結末までずっとワクワクするような感覚がある。
とても楽しみながら読ませていただきました。
――読み重ねていく中で、その印象に変化はありましたか?
いや、変わらないですね。