aiko『Love Like Rock vol.9』1年9カ月越しに終結 Zepp Tokyoラストライブとなった最終公演のレポート到着
Photo by 岡田貴之
aikoがライブハウスツアー『Love Like Rock vol.9』のファイナル公演を12月22日に東京・Zepp Tokyoで開催。そのオフィシャルレポートが到着した。
本ツアーは2019年10月から2020年3月にかけて行われる予定だったが、2020年3月7日・8日のツアーファイナル2公演が新型コロナウイルス感染拡大の影響により延期に。その振替公演として約1年9カ月越しに開催された本公演は、2022年1月1日に閉館することが決まっているZepp Tokyoでのラストライブとなり、aikoとファンにとっては記念すべきライブとなった。
この日は、一足早くファイナルを迎えた全国ホールツアー『Love Like Pop vol.22』の最終公演でaikoがファンを驚かせる結婚発表を行った日から初めてファンの前に姿を現すライブであった。ツアーファイナルを迎えられる喜びと衝撃の発表から初めてファンの前に姿を現すaikoが、一体どのようなパフォーマンスや話を聞かせてくれるのか期待が膨らんでいく。
aikoのライブではお馴染みの赤い舞台幕が落ち、最初に披露されたのは「アンドロメダ」。ロックなセットリストが特徴のツアーシリーズである『Love Like Rock vol.9』のスタートダッシュを心踊るビートで決めていく。
そのあとに披露された「58cm」は、aikoがZeppの舞台と観客までの距離が58cmくらいと思っていてそれをタイトルにしたZeppとゆかりのある楽曲だ。
Zeppの舞台と観客までの実際の距離は90cmあるとのことだが、ライブが始まってからすでにaikoとファンの心の距離は、タイトルの通り58cmに感じられるくらいに近く、心が通っていた。「帰りたくないならこのまま朝になろうよ」というフレーズには、Zepp Tokyoでできるライブが特別であり、このままみんなと一緒にずっとライブをしていたいと言ってくれているようで、この日は特に心に刺さった。
「58cm」を歌い終えると、メッセージボードを掲げたファンを見つけ、先日発表した結婚報告に関して「本当にありがとうございます。結婚しました。」と改めてファンに感謝の言葉を述べた。「今日は、ツアーの最終日で、約1年9カ月ぶりで、しかも最後のZepp Tokyoでのライブです。本当に悲しいです。」とZepp Tokyoでのラストライブへの名残惜しさを口にした。
続けて、歪んだギターのリフが耳に残る「より道」や「明日の歌」「プラマイ」を歌い、会場の熱気を上げていく。
MCを挟んで披露された「ハニーメモリー」や幻想的な映像と照明で彩られた「You & Me both」によって雰囲気を作ると、最新曲の「列車」「食べた愛」などを熱唱していった。
ライブの本編の後半に差し掛かって披露された「何時何分」では、サビの《さようならさようならまた今度さようなら》《愛してる愛してるだからね好きだよ》という歌詞が、Zepp Tokyoへ向けた最後の“愛の言葉”のように感じた。
またaikoのライブではお馴染みの男子!女子!のコールアンドレスポンスが、コロナ禍のツアーで恒例となったジェスチャーで行われると、バンドメンバーを絡めた“コールアンドレスポンスコント”のようなものが繰り広げられていき、会場は笑いに包まれた。
ライブは後半戦、次の曲「beat」に突入した。するとまた会場は、一気にロックの雰囲気に立ち戻って熱気に包まれる。この日の「beat」は、曲中でバンドメンバーの紹介ソロが盛り込まれた特別バージョン。その後「未来を拾いに」「エナジー」を披露しエネルギッシュに本編の幕を閉じた。
明日も明後日もZepp Tokyoでライブが続いていく感じがします。
aikoのライブはこれからが本番。
アンコールに突入すると「相合傘」がロックなバージョンで披露される。「相合傘(汗かきMix)」の今回のバージョンは、まだまだ汗をかけるか?とaikoから曲を通じて言われているように感じた。
「相合傘」を歌い終えると「アンコールありがとうございます!今日はZeppで最後のライブなのですごく気合を入れてきたのですが、なんとなく心なしか緊張してお互いよそよそしい感じがします(笑)。なので、もっともっと受け止めていただけると嬉しいです。アンコールも楽しんでください!宜しくお願いしまーす!」と続けて、テンポよく「ハナガサイタ」「メロンソーダ」を歌った。
アンコールを歌い終えてノリノリでバンドメンバーの紹介と挨拶を終えると、「今何時だと思っているんだ!まだ9時20分だぜ!私にしてみればまだ昼の3時くらいだぜ!だってこれで最後ですもん!もうちょっとやらせてくださーい!」と最後の最後までこの日を楽しむつもりでいたことを口にした。ファンももちろんそれに答える形で大きな拍手で応戦。ダブルアンコールがスタートした。
「赤い靴」を歌い終えると、サビの8ビートでファンと一体になる「運命」でボルテージを上げていき、「キスする前に」を立て続けに披露した。
ファンの前にもう一度バンドメンバーとラインナップするとaikoは、名残惜しそうに「まだ歌いたいです!」と続けて「最終日とは思えないし、明日も明後日もZepp Tokyoでライブが続いていく感じがします。ここでは61回ライブをすることができました。いろいろな思い出があって、本当になくなるのかな?と今も思ってます。でもみんながいてくれたから今日もいつものようなライブになりました。本当にありがとうございます!」とZepp Tokyoの思い出とともにファンに向けて感謝の言葉を述べた。
「それでは一曲目からいきましょうか?(笑)」とこの日の初めに披露された「アンドロメダ」のセッションを挟み、トリプルアンコールに突入した。Zepp Tokyoで一番披露された回数が多い「be master of life」から始まると、ファンは飛び上がって会場を揺らした。
続けてこちらも過去にZepp Tokyoで24回披露されている定番曲の「二人」を熱唱。「二人」の最後に佐野康夫(Ds)が投げたスティックを取りそびれた須長和弘(Ba)を見たaikoが、スティックをキャッチするまでライブは終わらないと、最後にもう1曲「ボーイフレンド」を追加し、Zepp Tokyoでの有終の美を飾った。
「今年ももう少しで終わりですが、1年9カ月待っていただき、この日に来てくれて本当にありがとうございます。ライブが終わるのは本当に実感が湧かないのですが、2019年から始まって2021年にライブを終えることができてよかったです。みなさんありがとうございました!また必ず会えますように!またね!」と挨拶して2021年最後のライブを締めくくった。
なお各サブスクリプションサービスでは、本公演のセットリストとaikoのZepp Tokyo公演で過去に披露された楽曲のトップ30とレア曲をまとめたプレイリストが公開されている。
Photo by 岡田貴之
<公演情報>
aiko『Love Like Rock vol.9』
12月22日(水) 東京・Zepp Tokyo