『本心』池松壮亮、石井裕也インタビュー。「今作は“記憶を記録すること”の映画」
池松壮亮が主演を、石井裕也が監督を務めた映画『本心』が11月8日(金)から公開になる。本作では亡き母の本心をデジタル技術の力を借りて探る主人公のドラマが描かれる。劇中には人工知能(AI)や仮想の身体(バーチャル・フィギュア)など日々、進化を続けているテクノロジーが登場するが、本作の中心にあるのは“人間の記憶”だ。
かたちのない、しかし確かに存在していて、そのあり方が刻一刻と変化していく……なぜ本作は “記憶の不確かさ”を扱うのか?その果てに何を描こうとしたのか?池松と石井監督に話を聞いた。
自ら死を選ぶことができる“自由死”を選択してこの世を去った母・秋子は、急逝する直前、息子の朔也に「大事な話があるの」と言い残していた。母は何を伝えようとしたのか?朔也は、母の本心を探るために生前の母の個人データなどを集約させて、仮想空間上に“母”を作り出す。朔也はバーチャル・フィギュア=VFの“母”と対面し、会話し、そのことでデータがさらに蓄積され、“母”は変化を遂げていく。朔也の目の前にいるこの女性は母なのか?母の本心とは?
本作の原作は、平野啓一郎が2019年9月から翌年7月にかけて新聞に連載した同名小説。