咲妃みゆ、山路和弘、中山翔貴が紡ぐ濃密な会話劇 KAATプロデュース『スカイライト Skylight』詳細発表
KAAT神奈川芸術劇場は、2027年1月20日(水) から31日(日) に、2026年度のメインシーズンを締めくくる作品のひとつとして、イギリスの劇作家・デヴィッド・ヘアによる名作『スカイライト Skylight』を上演する。このたび、公演詳細が発表となった。
本作は、かつて不倫関係にあった男女とその息子による3人だけの会話劇。1995年にロンドンの国立劇場で初演されると好評を博し、ローレンス・オリヴィエ賞を受賞。翌年、ウエストエンドやブロードウェイにも進出し、2015年にはトニー賞リバイバル作品賞を受賞するなど、時代を超えてもなお評価されている。当時のイギリスの社会情勢を背景に、登場人物たちの複雑な関係性や感情の機微、駆け引きが描かれ、さまざまな価値観や生き方が浮かび上がる普遍的な人間ドラマとなっている。
演出を務めるのは、演劇のみならず歌舞伎やオペラ、テーマパークでの演出も手がけるなど多方面で活躍する杉原邦生。KAAT神奈川芸術劇場では、これまでにギリシャ悲劇や新作現代劇などを手がけ、ダイナミックで斬新な演出で観客を魅了してきた。
そんな杉原が、変動する社会や多様な人間性を描く本作に挑む。
ロンドン北西部に住む教師であり、この物語の中心となるキーラを演じるのは、元宝塚歌劇団雪組トップ娘役で、退団後も数多くの舞台作品で主演を務める咲妃みゆ。キーラとかつて関係を持っていた事業家・トムを演じるのは、舞台俳優としてキャリアをスタートし、舞台・映像作品のみならず声優として幅広く活躍をする山路和弘。トムの息子・エドワードを演じるのは、デビュー以降、テレビ・映画・CMと活躍がめざましい中山翔貴。キャリアもさまざまな3名の俳優が、濃密な人間模様を紡ぐ。
本作では、舞台美術を手がけるデザイナーをコンペティション形式で選出。このコンペを通じて、劇場やアーティストが新しい才能と出会い、舞台芸術の可能性を追求する。この試みについて、杉原は「以前から構想していた舞台美術家コンペティションを開催し、新たに出会う才能とともに空間を思考するところから始めることにしました」とコメントしている。
『スカイライト Skylight』は、神奈川・KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>での上演ののち、2027年2月上旬に兵庫・神戸文化ホール 中ホールで上演される。【あらすじ】
ロンドン北西部で質素な暮らしをしながら教師をしているキーラ(咲妃みゆ)。ある日突然、かつて彼女が働いていたレストランのオーナーの息子・エドワード(中山翔貴)が、キーラの住むアパートを訪れる。1年前に亡くなった母・アリスについて語り、アリスの死から立ち直れない父・トム(山路和弘)を助けてほしいと訴える。エドワードが帰った後、同じ夜にトムもまた図らずもキーラのもとを訪れる。ふたりは、互いの現在の生活や、かつてレストランでともに働いていた日々について語り合い、離れていた約3年の空白を埋めようとする。しかし、実はふたりはかつて不倫関係にあり、キーラは罪悪感からトムたちの前から姿を消していた。会話が進むにつれ、ふたりの生い立ちや生活環境、価値観の違いが次第に浮き彫りになっていく。
そして、夜が明ける前、いまだに互いに惹かれ合うふたりの関係に、ひとつの決着がつく──。
<公演情報>
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スカイライト Skylight』
作:デヴィッド・ヘア
翻訳:小澤英実
演出:杉原邦生
出演:咲妃みゆ山路和弘/中山翔貴
【横浜(神奈川)公演】
2027年1月20日(水)~31日(日)
会場:神奈川・KAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>
【神戸(兵庫)公演】
2027年2月上旬
会場:兵庫・神戸文化ホール 中ホール
公式サイト:
https://www.kaat.jp/d/skylight
KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『スカイライト Skylight』演出家&出演者コメント全文
■杉原邦生
(撮影:細野晋司)
『スカイライト』という傑作戯曲が、僕にまた新たな可能性の扉を開いてくれようとしている──そんな期待感とともに、ほのかな畏怖を感じています。
初めて戯曲を読んだとき、「これは困った」と思いました。登場人物は3人のみ。舞台は一場面だけで、時空の飛躍もなく、リアルな会話によって進んでいく。これまで手がけたどの作品よりもシンプルな構造に、自分の方法論が通用しないように感じられたのです。
ですが同時に、空間へのアプローチにまだ見ぬ可能性が秘められていると、この戯曲が語りかけてくるようにも感じました。そこで、以前から構想していた舞台美術家コンペティションを開催し、新たに出会う才能とともに空間を思考するところから始めることにしました。
「困った」と思ったそのときにはすでに、この作品の演出を断るという選択肢はなかったのです。
咲妃みゆさん、山路和弘さんという確かな実力と魅力を兼ね備えたおふたり、フレッシュで独特の存在感を持つ中山翔貴さん、そして厚い信頼を寄せるスタッフの皆さんとともに、新たな『スカイライト』をお届けします。どうぞご期待ください!
■咲妃みゆ
「スカイライト」に出会ったとき、稲妻が走ったと申しましょうか……初めて体感する衝撃が全身を駆け巡ったことを鮮明に覚えています。気づけばその衝撃は“この戯曲に挑戦したい”という高き目標へと変動していました。挑戦の機会に恵まれた今、その有り難さを強く感じております。いつかご一緒できたらと願っていた杉原邦生さん、尊敬する山路和弘さん、初共演が楽しみな中山翔貴さん。皆さんと手を携えて演劇を楽しみたいです。
■山路和弘
ずーっと昔の若い頃の話。
「お前は修羅場が好きなのか!」よく友人に言われた。
男女は、特に若い頃は、別れは突然やって来る。
穏やかにことが進むときもある。
なのにチョッとした、たった一言で修羅場になってしまう。人の心が解らないのか女心に鈍感なのか……。
でもその時一瞬で空気が変わる。どんなに思い合っていても。
チクチクと心を針で刺される様な稽古場かも知れない。
自虐の悪魔が誘って来る。
■中山翔貴
今回の出演が決まったときは不安もありましたが、演出の杉原さんから「自分の持っているものを生かしてほしい」と言っていただき、この作品に懸ける思いがより一層強くなりました。
エドワードは物語を進める大きな役割を担う存在です。
舞台経験は浅いですが、咲妃さんや山路さんの背中を追いかけながら、誠実に向き合い、そして全力で作品に飛び込んでいきます。
3人で紡ぐ濃密な会話劇を、ぜひ劇場で体感してください。