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【ライブレポート】夏だ、ファンクだ、パーティーだ BRADIOのアルバムリリースツアー、ファイナルを飾る東京の熱い夜

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【ライブレポート】夏だ、ファンクだ、パーティーだ BRADIOのアルバムリリースツアー、ファイナルを飾る東京の熱い夜

Photo:ヤマダマサヒロ



本格的な真夏の訪れを前に、全国6カ所を駆け抜けるBRADIO「DANCEHALL MAGIC Release Tour 2003」が、ついにファイナルの東京公演を迎えた。最新アルバム『DANCEHALL MAGIC』はとことんファンキーでパワフル、バンドの原点回帰と言える快作で、ライブで体感するのが待ち遠しかった。恵比寿LIQUIDROOMはもちろんソールドアウト。フロアを埋めたファンキーパーティーピーポーの楽しむ準備は万端だ。

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オープニングナンバーの「DANCEHALL MAGIC」から、七色に輝くストロボライトとミラーボール、無数のペンライトが華やかな空間を演出する。サポートを加えた5人編成のバンドが、ディスコ・ファンクの強烈なグルーヴでフロアを揺るがす。真行寺貴秋(Vo)が満面の笑みで「会いたかったぜ!」と叫び、2曲目「スパイシーマドンナ」では早くもジャケットを脱ぎ捨て臨戦態勢。大山聡一(G)がエビゾリ状態で熱血ギターソロを決め、酒井亮輔(B)が容赦なく図太い低音をはじきだす。
バンドはいきなり絶好調だ。

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「ここが今日のダンスホール。魔法をかけます。BRADIOです、よろしく」(真行寺)

アルバムから続けて2曲、大山の切れ味鋭いカッティングがリードする「Diamond Dust Popping Life」と、エレクトリックドラムの音色がレトロフューチャー感を醸し出す「YATARA Dance」は、抑制の効いたグルーヴがかっこいい大人の味わい。「-Freedom-」は高速で突っ走るファンキーでロッキンなダンスチューンで、フロアはまさにダンスホールと化す。飛んだり跳ねたり指さしポーズを決めたり、踊らされるのではなく自由に踊りまくる観客が主役だ。

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前作フルアルバム『Joyful Style』のオープニング曲だった「Time Flies」は、このツアーのためのリアレンジで筋肉ムキムキのファンクチューンに大変身。酒井のブリブリベース、レトロなシンセ音、ヒップホップ色濃い目のコール&レスポンス、音楽の隅々にまで遊び心があふれてる。
「オワラナイ」のイントロでタイミングが合わず、大声援を浴びながらもう一度やり直したのも、ミスではなくて“This is LIVE”だ。サビではフロアの全員が手を振り踊る、一体感がハンパない。

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「先日、『君たちはどう生きるか』を観てきました。今日は俺とおまえたちがどう生きるか、やってもいいですか!」(大山)

いつも以上にハイテンション、大山の独特なMCも絶好調。『DANCEHALL MAGIC』随一の強力ロックチューン、エイトビートで押しまくる「69 Party」では大山の炎のギターソロ、真行寺のコール&レスポンスで鬼のように盛り上がる。メロディアスなディスコ・ファンク「BAN BAN TONIGHT」はどこまでも軽快にダンサブルに、サビの振付もばっちり決まった。ステージを見ても楽しいが、フロアを見ても笑ってしまうほど楽しい。

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「無事にファイナルを迎えられたことに感謝してます。
声を出して踊ってというのが久しぶりで、みなさん待ち望んでいたと思うんですけど、スタッフも頑張ってくれたので、大きな拍手をいただけると嬉しいです」(酒井)

自分のことより周りのこと、気配りの人らしいMCをはさんでライブは後半戦へ。スウィートなメロディ、真行寺のファルセットが秀逸な「きっと遠く キミともっと遠く」は、熱気あふれる楽曲たちの中で一陣の涼風のように爽やかに流れる。AOR風の洗練された音色がかっこいい「Catch A Vibe」は、ミラーボールが輝く下で聴くとより力強くダンサブルに響く。そして間違いなくこの日のハイライトのひとつ、『DANCEHALL MAGIC』の中でもメッセージ性の強さが際立っていた「運命へ」。ねばっこいミドルテンポのファンクビート、大山の華麗なワウギター、寡黙だが芯の太い酒井のベース、真行寺のゴスペルライクな熱唱、そしてフロアいっぱいに鳴り響くリフレインの大合唱。「運命へ、それ決めんのオレたちだ」。単純な繰り返しがじわじわと胸に沁みる、これぞ音楽のマジック。

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「毎日が楽しい人も、毎日が辛い人も、笑顔じゃなくても、へこたれてる顔でも、みんなが俺たちの財産です。
それをキラキラさせるのがBRADIOの音楽だと、このツアーで感じました。俺たちと出会ってくれてどうもありがとう」(真行寺)

ダンスホールの魔法とは一体何か。しみじみ語る真行寺の言葉には本音しかない。ラスト2曲は、重心の低いヘヴィなミクスチャーサウンドが理屈抜きでかっこいい「Buster!」、そして華やかな80’sポップ感あふれる「ソウル・ギャラクシー」。大山のレスポールが火を噴き、真行寺がマイクを持ったままフロアに飛び込んだ。人波に埋もれてアフロしか見えないが、歌い続けるシンガーを邪魔しないように輪を作る観客が優しい。「おまえが、おまえが、スゲェから」と、ひとりひとりの顔を指してメッセージを伝える真行寺が優しい。優しさと本音でできている性善説のファンクロック、それがBRADIO。


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アンコールでは、2日後に誕生日を迎える大山のために一足先に「ハッピーバースデー」の大合唱が聴けた。さらに、翌日にCDリリースされる新曲「ファンファーレ」(TVアニメ『自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う』)もいち早く聴けた。数あるBRADIO楽曲の中でも特別にポップで爽やか、せつなさをはらんでキラキラ輝くメロディと賑やかなホーンセクションに心が躍る。開かれたポップさが、新しいリスナーに届く大きな可能性を持つ1曲。

「ここまで来れたのも、ここからやっていけるのも、チームBRADIOのおかげです。彼らの幸せが私の幸せ、愛と感謝でいっぱいです」(真行寺)

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ステージ左右に控えるスタッフへ、フロアの後方で見守るスタッフへ、ひとりひとりにサムアップを送る真行寺。「“BRADIOだけ”では最高の音は鳴りません。“BRADIOで”最高の音を鳴らしましょう」と、粋なセリフを吐く真行寺。
ラストはキラーチューン、泣く子も踊る強力ファンキーな「Back To The Funk」だ。ボーカルのステップに合わせてフロアが揺れる。ストイックなのに華やか、シンプルなのに豊か。これがBRADIOのマジカルファンキーパーティーミュージック。

「音楽って素晴らしい。ありがとう!」(真行寺)

お別れは、笑顔の絶えない記念撮影と、いつものようにマイクを使わない真行寺の決めセリフ。ファンキーで踊れる原点に立ち返った『DANCEHALL MAGIC』からの楽曲は、過去曲とうまく溶け合って新たな喜びを生み出した。いわば、新章開幕。
BRADIOとともに作るファンキーなダンスタイムは、ここからが本番だ。

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Text:宮本英夫Photo:ヤマダマサヒロ

<公演情報>
BRADIO「DANCEHALL MAGIC Release Tour 2023」

7月25日(火) LIQUIDROOM

セットリスト 01. DANCEHALL MAGIC 02. スパイシーマドンナ 03. Diamond Dust Popping Life 04. YATARA Dance 05. -Freedom- 06. Time Flies 07. オワラナイ
08. 69 Party 09. BAN BAN TONIGHT 10. きっと遠く キミともっと遠く
11. Catch A Vibe 12. 運命へ
13. Buster! 14. ソウル・ギャラクシー
EN1. ファンファーレ
EN2. Back To The Funk <リリース情報> シングル「ファンファーレ」 発売中
1,200円(税込) 【収録曲】 1.ファンファーレ〈TVアニメ「自動販売機に生まれ変わった俺は迷宮を彷徨う」オープニングテーマ〉 2.DANCEHALL MAGIC(Live) 3.69 Party(Live) 4.真っ赤なカーチェイス(Live) <ライブ情報> 「BRADIO DANCE PARTY」 9月8日(金) 長野・長野CLUB JUNK BOX 9月29日(金) 埼玉・HEAVEN’S ROCK さいたま新都心 VJ-3 11月2日(木) 岡山・岡山IMAGE 11月4日(土) 静岡・浜松 窓枠 「エイリアンサーカス2023」2マンライブ 10月5日(木) 神奈川・YOKOHAMA Bay Hall 10月6日(金) 神奈川・YOKOHAMA Bay Hall 10月14日(土) 兵庫・神戸Harbor Studio 「BRADIO 2023 THANKS PARTY」 12月15日(金) 東京・LIQUIDROOM  and… to 2024 関連リンク
BRADIO公式サイト: https://bradio.jp

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