2023年11月11日 18:00
森山直太朗、一〇〇本ツアーを振り返る独占インタビュー “この長いツアーで僕はようやく成人式を迎えられたんです”
そうなんですよね。その場その場で出来上がったみんなとの関係性が、【前篇】と【中篇】はより特殊なものでしたからね。それがNHKホールでひとつになったときに、果たしてどこまで伝わるんだろうかっていうのは、正直一か八かみたいなところはありましたね。
――あと、ショー全体の長さというものもツアーにはない難しさとしてあったのではないでしょうか?
30曲で4時間ですからね。本当にここだけの話、4時間のライブって長いですよ(笑)。連れて来られた人だったら途中で飽きちゃうでしょ。舞台がいくら非日常を体感できるものだとしても、そこにずっとはいられないじゃないですか。それはあくまで日常という振りが一方で効いているからこそ楽しめるのであって。
延々続く非日常はもはや非日常ではなくなりますからね。だからこのコンサートがただの自己満足で長いだけのものにならないためにはどうしたらいいのかっていうのはものすごく考えました。
――どのようにアプローチしていったのでしょうか?
やっぱり丁寧なグラデーションをつけていくことが大事だなって思ったんですよね。いきなり照明が暗転してライブの世界、つまり非日常にパチンと切り替えられても、人の集中力はそんなに続かない。