2024年1月25日 17:00
『カラーパープル』はなぜ、40年の時を経てスクリーンによみがえるのか?
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1985年の12月にアメリカでスティーブン・スピルバーグ監督作品『カラーパープル』が公開された。そして約40年の時を経て再び、スクリーンに『カラーパープル』が登場する。本作はなぜ、このタイミングで新たな命を吹き込まれたのだろうか?
本作は20世紀の初頭から中頃にかけて、アメリカで生きたひとりの女性セリーの激動の人生を描く感動作だ。幼い頃から父の虐待を受け、理不尽な環境に置かれてきた彼女は、父の一存で望まない相手と結婚させられる。毎日続く、暴力と恐怖の日々。しかし、彼女は自分から声をあげることができない。どんな酷い仕打ちを受けても、反抗したり、逃げ出す術を知らない。
そんなセリーは長い時間をかけて変化を遂げていく。
ひとりの女性の成長を描いた物語は、アメリカにおける黒人の扱い、家庭内における女性の立場、そしてさまざまな“試練”を与える神と祈ることしかできない人間の関係などを巧みに描いている。
本作の製作を務めたオプラ・ウィンフリーは、スピルバーグに再映画化を打診して快諾された理由を「女性たちが声をあげている今が、その時だと彼は悟ったのです」