パワハラは泣き寝入りするしかないの? イケメン弁護士が答えます
今回は刈谷弁護士
(ゆあ)
これはなかなか根深い問題ですよね。実際に相談に来る方の中にも、こうした問題に悩まされている方は多いです。特に、会社の社長からパワーハラスメントを受けている場合は、よほどの大企業でもない限り、会社が自発的に改善措置をとることは望めないでしょう。でも、そういうケースに悩まされている方が多いのが現実なんですよね。本当に多いですよ。パワハラのご相談。
人間が多く集まるところでは、必ずと言っていいほど起こります。小学生のときからイジメ問題があり、社会人になっても社内いじめや会社での地位を利用したパワーハラスメントが横行する…。抜本的に解決することは難しそうです。
ですが、味方はいます。それが法律です。
法律では、パワーハラスメントは不法行為となり、パワハラをした人は被害者に対して損害賠償を支払わなければなりません。パワハラ被害の多くの方は、そのストレスからメンタルがやられてしまい、適応障害やうつ病で通院を余儀なくされていますから、そのような場合は、通院費や治療費を請求できるということになります。もちろん、精神的負荷をかけられたことに対する慰謝料も請求することができます。
慰謝料というのは、精神的苦痛に対する賠償であり、法律で具体的にいくらと決まっているわけではありません。さまざまな事情を総合考慮して、今回のケースでは、一般的にこのくらいの金額により精神的苦痛を慰謝するのが相当だという金額が決定されます。ですから、金額はケースバイケースで一概には言えないのですが、パワハラ被害の場合、だいたい100万円前後の慰謝料が認められることが多いのではないでしょうか。
と、まぁパワハラをした人が責任を負うことになるのは当然のことですが、会社もまた、従業員のパワーハラスメントによって被害を受けた者に対して、損害を賠償する責任を負うことになります。
理由は二つあります。
(1)会社は、従業員を使用することによって利益を得ているのだから、従業員が問題を起こしたときは責任を取りなさいよ、という理由です。
(2)会社は、従業員が快適に労働に専念できるよう職場環境に配慮しなければならない義務を負っているところ、パワハラ問題に対して未然に防ぐ措置をとらず、起きてからもほったらかしという態度が、その義務を怠ったことになるという理由に基づく責任です。理論構成はともかくとして、会社がパワハラの責任をとるということになれば、きちんと対処してくれるだろうという考えが背後にはあるのかもしれませんね。
このように、パワハラの被害に遭っている方は、会社に対しても、パワハラをした従業員に対しても損害賠償を請求していくことができます。現実には、会社を相手にすることが多いです。
そして、裁判できちんとパワハラを認めてもらうためには、証拠を集めておくことが肝心です。必要があれば会話を録音したり、メモをとったりするなどしてしっかりと証拠集めをしておきましょう。
アディーレ法律事務所
刈谷龍太弁護士(東京弁護士会所属)
中央大学法科大学院卒業。司法修習第64期。弁護士法人アディーレ法律事務所で、パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を専門に扱う部署に所属。問題点を的確につく仕事ぶりは、評価が高い。
趣味はサッカー・フットサル。特技はモノマネ。テレビも大好きで、ニュースだけでなくドラマからバラエティ番組まで幅広くチェックしている。公式ブログ「こちら弁護士刈谷龍太の労働相談所」では、労働問題などの気になる記事を「実おもニュース」(実におもしろいニュース)として、独自の視点から解説している。
●刈谷龍太プロフィールページ
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