会社ぐるみのいじめ? 今、退職を強要されています! イケメン弁護士が答えます
今回は刈谷弁護士
会社が私に探偵をつけて、あらを探し、退職に追い込もうとしています。この間は会議室に呼びだされ、役員や関係部署の10人程度に囲まれて、尋問のように質問を浴びせられました。そのとき、携帯は録音されないように一時的に没収されました。
訴えを起こして問題になると同じ業界で働きづらくなるので、我慢していますが、くやしくて会社に行くのが辛いです。どうしたらいいでしょうか?
これはよくある話です。いや、探偵をつけるってことじゃないですよ。会社が、辞めさせたいと考えている人間をターゲットにして“あら探し”をすることです。さすがに探偵をつけてまで“あら探し”はやり過ぎですが、会社が貸与しているPCの中身を見たり、仕事の様子を観察させたりして“あら探し”をする会社は多いといえます。
その結果、業務中に検索していたインターネットのページが業務と無関係であること、私用メールをしていたこと、離席が多いことなどを追及され、退職に追い込まれてしまいます。
会社からすれば、きちんと仕事をしているか否かを管理するための正当な行為であるといいたいのでしょうが、管理も行き過ぎると従業員に対して過度にストレスを与えるだけの、職場環境を悪化させるだけの行為に他ならず、しかも管理の目的が従業員の“あら探し”となれば、これはもう会社ぐるみのいじめといえます。従業員の業務を管理するという大義名分がある分だけ、単なるいじめと比べてかなり悪質といえるでしょう。
ところが、“あら探し”によってみつかった“あら”は自分の落ち度に他なりませんから、こうした悪質ないじめから従業員が逃れようとしても、一筋縄ではいきません。会社内部のしかるべき機関に相談しても、「でも、業務中にネットサーフィンしてたんでしょ?」などと言われてしまい、むしろ「悪いのはお前なのに責任転嫁してる」とすら思われてしまうケースも少なくありません。
では、どうしたらいいのか。実は、会社の“あら探し”行為自体に対しては、有効的な対応策といえる対応策がないことが現状なのです。そもそも“あら探し”をしなければ解雇できないような社員は、“あら探し”をしてまで解雇することが想定されていないと言った方がいいかもしれません。
今回のケースでは、会議室に呼び出し、尋問のような質問を浴びせられ、私物であるはずの携帯電話を承諾なく取り上げるなどすることにより、必要以上の心理的圧迫を与えたことを問題視することが可能ではありますが、これではそこに根ざしている真の問題は解決しません。解雇を争う裁判でも、会社は後付けのようにパソコンを精査して見つけたほんのわずかな違反を主張してくることがありますが、そうなった時点で裁判には勝てないのですから、悪あがきはやめてもらいたいものです。
お互いに望まない裁判をして泥試合をするくらいなら、会社には、“あら探し”をして従業員を退職に追い込む前に、きちんと話し合いの場を設けてもらいたいものです。
相談者さんも、訴えを起こすことまでは考えていないようですが、我慢するくらいなら、思い切って訴訟も視野に入れて専門家に相談してみてはいかがでしょう。
アディーレ法律事務所
刈谷龍太弁護士(東京弁護士会所属)
中央大学法科大学院卒業。司法修習第64期。弁護士法人アディーレ法律事務所で、パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を専門に扱う部署に所属。問題点を的確につく仕事ぶりは、評価が高い。
趣味はサッカー・フットサル。特技はモノマネ。テレビも大好きで、ニュースだけでなくドラマからバラエティ番組まで幅広くチェックしている。公式ブログ「こちら弁護士刈谷龍太の労働相談所」では、労働問題などの気になる記事を「実おもニュース」(実におもしろいニュース)として、独自の視点から解説している。
●刈谷龍太プロフィールページ
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