これであなたも貯め体質! 人気FPが教える超簡単「一行家計簿」
家計管理にはやはり記録をつけるのが一番。でも家計簿をつける時間もないし、そもそも面倒くさい…。そんなあなたのために、ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに聞いた、とっても簡単な家計管理法を紹介します。
●「なんのために家計簿をつけるのか」を考えれば、無駄な作業を削れる
――「つけたほうがいいとはわかっていても、やっぱり家計簿って面倒くさくて…」という方に良い方法ありますか?
「そういう方には、天野伴さん(注)提唱の『一行家計簿』がオススメです」(風呂内さん・以下同)
――それはどんなものですか?
「気になるカテゴリーの金額だけを集計して、費用を把握する方法です。たとえば、カフェでついお金を使っちゃうOLさんは多いですよね。その場合は、カフェに関する費用だけを手帳にメモするんです」
――それだけでいいんですか?
「これを行うと、月単位での増減はわかりますし、OLさんなら収入は皆さん把握していますから、全体に対する割合もつかめますよね。それで、ああ今月は多かったから来月はカフェに行くのは少し減らそう、といった形で生活費のコントロールにつながるんです。
洋服を衝動買いするクセのある方は服飾関係の出費だけ、食費が多いと思ったらコンビニやスーパーで使った金額だけをチェックする。
そして数カ月分を比較する。これだけでいいんです」
●家計簿は本来、無駄な出費を把握するためのもの
「そもそも家計簿をつけるのはなんのためかというと、貯蓄をしたいとか、生活を楽にしたい、といった自分の生活を向上させるためですよね。ですから極端な話、数字をざっくり把握して、無駄なところと必要なところを見極められればそれで十分なんです。
そうして削れるところを見つけて貯蓄に回せれば目的達成、ですよね。カフェ代をコントロールできるようになったら、次は被服費を記録するという形で、数カ月おきにチェックする費目を変えるのもいいですね」
――パーフェクトな家計簿を目指す必要はないんですね。
「そうです。ほかにも簡単なやり方はあります。たとえば、透明なトレーを複数用意して、お店のジャンルごとにレシートを分類して入れていく。
その量をざっと見るだけで月ごとの増減がざっくり把握できます。特に食費関係、スーパーやコンビニでの支払いの増減を見るのに有効ですね」
●数字を見なくても支出の増減は把握できる
「また、月末に通帳を眺めるだけでも効果はあります。先月より増えていれば黒字、減っていれば赤字ですから。そういう形で、大枠でいいから支出の増減を意識する、というところから始めるだけでもお金に関する意識や習慣が変わってお金を大事にするようになり、それがいい循環を呼びます。無駄使いがなくなったり、貯蓄に回せるお金が増えたり、とうれしい結果がきっと出てきますよ」
――難しく考えず、とにかく始めるのが大事なんですね。
「そうなんです。家計簿をきっちりつけることにこだわらず、あくまで生活習慣から出てしまう不要な出費などを見つけるための手段と割り切って、できるところ、気になるところから始めるのが◎です」
これなら数字が苦手な人、忙しい人も家計管理が楽にできそうな気がしませんか?毎月なぜかギリギリになってしまうという方は、紹介した方法を活用して、ぜひ“楽しい貯金生活”に変えるきっかけにしてみてくださいね。
(注)天野伴氏:「天野伴 税理士事務所」代表。
業務の仕組み化や家計簿アドバイスに定評のある税理士として、「日経マネー」「日経新聞」「日経アソシエ」等で活躍中。
<プロフィール>
風呂内 亜矢(ふろうち あや)/ファイナンシャルプランナー・CFP®認定者・宅地建物取引主任者。
OLだった26歳のときに貯金80万円でマンションを衝動買い。物件価格以外にも費用がかかることを知ったのをきっかけに、お金の勉強をスタート。マンションの販売会社に転職すると、自身がマンションを購入したときの体験を交えた営業が顧客の共感を集め、年間売上1位を獲得。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信中。
<取材・文/関谷知生取材協力/ファイナンシャルプランナー風呂内亜矢>