「おにぎり早食い競争」で参加者が死亡…遺族は主催者を訴えることができる?
(大窪弁護士)
主催者の安全配慮義務とは、具体的にはどのような内容を指しますか。今回の事故では、主催者は喉に詰まらないようにお茶を用意したということですが…。
「安全配慮義務とは、事故を予見して回避する注意をする義務のことです。
早食いについては、喉に食物を詰まらせて呼吸困難になる事故が過去にも発生しており、事故の危険が高いものと言えます。主催者側がそうした事故発生のリスクを把握し、事故を防止するために必要な措置をしっかりと講じていたかどうかが問題となります。
今回の場合であれば、お茶を用意するといったこともそうですが、その他にも参加者に対して危険性の告知や、食べ方のルール、早食いで食べる食べ物の種類など、早食いを行う上で事故がおきないよう、さまざまな面で安全性に配慮していたかどうかが重要となります。」(大窪弁護士)
確かに今回の事故を考えると、お茶を用意するだけでなく、喉に詰まりづらい食材を選ぶなど他の視点からも安全性についての配慮はできたのかもしれません。事故が起きないようにどれだけ安全性に配慮できていたのかという点が重要なのですね。
■遺族はどこに損害賠償請求ができる?
今回の事故を受けて遺族は損害賠償など、主催者であるJA東びわ湖に請求することができるのでしょうか?
「主催者であるJA東びわ湖が安全配慮義務を果たしていないということであれば、損害賠償請求を行うことは可能です
ただし、参加者側の側に過失がある場合(例えば、主催者側がつくったルールに反する危険な食べ方をしていた場合など)