盗難被害にあった自転車を1年後に発見…そのまま持って帰ると実は違法に?
③盗まれてすぐに発見した場合
それでは、盗まれて30分後に自転車を発見した場合はどうでしょうか。
そのような場合でも、警察に通報せず、勝手に持ち帰ると窃盗罪になります。
■不当な理由でも所有者ではなくなってしまう
自転車が盗まれると言うことは、所有者の管理(法律用語だと占有と言います)を離れ、窃盗犯が管理(占有)することになります。一旦、他人が管理しているものを管理者に無断で持ち帰ると窃盗罪になります。
管理者が正当な管理者であろうが、違法な管理者であろうが、窃盗罪が成立します。それは、他人が管理しているものをいくら所有者とは言え、勝手に持ち帰っては、社会秩序が維持できないからです。
盗まれたものを取り返すのだから、正当防衛にならないのかと疑問を持つ方もいると思います。国によっては、盗まれた直後であれば正当防衛が成立することもあるようですが、日本では、正当防衛になりません。
その理由は、仮に正当な権利者であっても自分の権利を実現するときに法律の手続を踏まなければならないからです。法律の手続を踏まずに権利を回復することを自力救済と言いますが、日本では、ほとんどの自力救済が違法だと判断されます。