海外では主流の「液体ミルク」…日本で普及させるためには何が課題に?
しかし、液体ミルクは高温滅菌後に密封しているため、むしろ粉ミルクよりも衛生的であるというデータもあるといわれています。また、先に見たとおり、液体ミルクの方が利便性が高いことは明らかです。
■液体ミルクの解禁と普及に向けた課題とは
しかし、政府は現在、液体ミルクを解禁し、これを普及することを検討し始めました。年度内にも安全基準等に関する議論をまとめて食品業界側に安全確認試験の実施などを求め、最終的には省令を改正して規格基準を設ける方向性で調整しているといわれています。
政府が液体ミルクの解禁に向けて舵を切ったのは、近年日本で大規模地震が多発し、災害時の食料確保の問題が現実化していることや、男性の育児参加を促進する目的など、様々な背景があるといわれています。
政府が現実的に解禁に向けて舵を切ったといっても、液体ミルクの商品化は粉ミルクの商品化よりも高いコストがかかるともいわれています。厳しすぎる基準を設ければ、企業のコストが高くなり、結局は企業側が商品化に踏み切ることを躊躇する可能性もあり得ます。最終的に省令が改正され、液体ミルクの規格基準が設けられるまでは、しばらく時間がかかるのではないでしょうか。