妊娠中絶手術の6日後に死亡…手術との因果関係が認定されたらどんな罪に?
「人工妊娠中絶は、中絶することも中絶させることも刑法上堕胎罪になり得ます。母体保護法は適法に人工妊娠中絶ができる場合を定めていますが、中絶を行なえる医師を都道府県医師会の指定する医師に限定しています。」(渡邊寛弁護士)
つまり、適法に人工妊娠中絶を行なえる医師は母体保護法指定医だけということになります。
■無資格で手術を行うことはどんな罪になる?
では、今回のケースのような無資格の医師による執刀が行われた場合、どのような罪となるのでしょうか。
「母体保護法指定医でない医師が人工妊娠中絶を行うと、妊婦本人の同意があっても、業務上堕胎罪になります。医師や薬剤師等による「業務上」堕胎は、そうでない者(医師・助産師・薬剤師・医薬品販売業者以外の者)の堕胎(同意堕胎罪)より重く処罰されます。
法定刑は3か月以上5年以下の懲役です。」(渡邊寛弁護士)
■もし、因果関係が認められた場合は?
もし、手術と女性の死との因果関係が認められる、つまり手術によって女性が死亡したと認められた場合はどうなるのでしょうか。
「中絶手術と死亡との因果関係が認められると、“業務上堕胎致死罪”となり、法定刑が6か月以上7年以下の懲役に加重されます。