オシャレ目的でタトゥーを入れた人が「刺青入浴お断り」の温泉に入るのは法的にNG?
A.NO!法令上、タトゥーに関する入浴制限はない。
「法令上の入浴制限はありません。公衆浴場法やこれに基づく各都道府県の条例は、伝染病患者の入浴の拒否など衛生・風紀の維持を義務付けていますが、タトゥーに関する規制はないのです。
タトゥーのある方の入浴制限は、温泉施設運営者が自主的に利用を断っている状態です。警察や自治体が入浴制限を要請することもあるようですが、施設運営者に対する任意のお願いベースのルールであると捉えて問題ありません。
逆に、温泉施設がタトゥーをお断りすることが法的に許されるかを考えてみたいと思います。温泉施設に限らず、営業の自由がありますので、レストランがドレスコードを設定したりするように、誰を顧客とするのかは基本的にお店の自由です。
ただし、顧客の選別が不合理な差別になると不法行為となり損害賠償責任を負うことになります。
不法行為になるかどうかは、社会的に許容しうる限度を超えるかないし公序良俗に反するかが個別具体的に判断されます。
裁判で店舗側の損害賠償責任が認められた事例として、公衆浴場の外国人入浴拒否、インターネットカフェの障害者入店拒否、賃貸マンションの外国人入居拒否などがあります。
タトゥーの入浴制限に関する裁判例はまだないようですが、温泉施設は日常生活において必要性の高い銭湯とは性格が異なることや、オシャレ目的かどうか(威圧的か否か)