「糖尿病に睡眠薬」検証不十分なのに睡眠薬服用を推奨することに違法性は?
NHKの健康情報番組内で、「睡眠薬で熟睡時間を増やせば血糖値を下げることができる」と、睡眠薬の服用を推奨しているような内容が放映されて医療従事者や視聴者から批判を浴びていました。
併せて、番組内で副作用の少ない新薬として紹介された薬が特定できてしまうため、当該新薬のステマ(ステルスマーケティング)ではないかとの意見もあったようです。
医師ではない筆者は熟睡時間と血糖値低下の因果関係については立ち入りませんが、上記放送内容の問題点について弁護士の立場から解説したいと思います。
*画像はイメージです:https://pixta.jp/
■薬事法違反のおそれもある内容
薬事法では、医療従事者や医薬品製造業者だけでなく、“何人も”医薬品の効能・効果等に関して、虚偽または誇大な記事を広告や流布してはならないと定められています(薬事法66条1項)。
今回の番組内容は、「最新の研究の結果、熟睡時間を増やせば血糖値が下がる効果が指摘されています」という程度にとどまらず、「特定の新薬の服用によって安全に血糖値を下げることができる」と視聴者に誤解を与えるようなものだったようです。