TV番組で紹介された健康法を実践したら健康被害…賠償請求できる?
A.放送内容によりますが、かなり難しいと思われます。
「放送内容にもよりますが、原則的には損害賠償請求の対象にはならないと考えます。損害賠償の請求が認められるためには、(1)他人の権利利益の侵害、(2)これに対する故意又は過失、(3)故意または過失と発生した損害の間の因果関係という要件をすべて満たす必要があります。
仮に、放送された健康法が誤ったものであり、放送局側に過失があるとしても、実際に発生した健康被害、これに基づく損害の発生との間に因果関係を認めることが難しいと思われるからです。
例えば、なんらかの運動法が紹介されてこれを実践した後に、負傷したというケースでも、そもそも実践した人に疾患があった場合には因果関係は認めにくいでしょう。
何らかの食品を摂取する健康法が紹介されてこれを実践した後に、体調を崩したというケースでも、当時の体調や、過剰摂取、元々持っていた疾患などが関わっているケースもありえ、やはり因果関係を認めることは難しいのではないかと考えられます。
但し、かなり詳細に健康法が紹介され、それを忠実に再現したこと、他に健康被害が生じる原因がなかったこと、これらを全て証明できた場合には、損害賠償請求が認められる余地があります」